Translation requests/WQ/3/Ja/2

From Meta, a Wikimedia project coordination wiki
< Translation requests‎ | WQ‎ | 3‎ | Ja

Page 2[edit]

はじめに
はじめに
創設者より
創設者より
報告
報告
プロジェクト
プロジェクト
支部
支部
報道
報道
国際
国際
あとがき
あとがき
+
ar |

br | cs | de | en | eo | es | fr | he | it | ja | ko | nl | oc| pl | pt | ru | sr | sv | zh | simple | vi || +/-

創設者ごあいさつ

 

Article state : Editing - Proofreading - Translating - edit
ベルギー・ブリュッセルで行われたFOSDEM 2005にて講演するジンボ・ウェールズ
撮影 Chrys

ウィキメディアの使命は、世界の知識をこの惑星上のひとりひとりにそれぞれの言語で届けることです。この活動の一貫であるウィキペディアは、なによりもまず、可能な限り質の高いフリーな百科事典を編纂、配布しようとする取り組みです。この目標とコミュニティのどちらが優先されるのかという質問は、そもそも間違っています。この目標こそが、コミュニティの目的そのものなのですから。

そして、この二つの間に本当の意味での緊張が存在したケースを私は知りません。すなわち、コミュニティの中心、つまり実際に作業をしている人たちは皆、「私たちは非常に質の高いものを創っているのであり、単にコミュニティ自体を目的としたオンラインコミュニティを構築しているのではない」ということを熱烈に支持しています。

コミュニティは私たちが自らに課した作業に優先するものではなく、コミュニティは我々が行うべき作業のまわりに構築されているのです。この違いは単純です - あらゆる判断は、常に、社会的便宜や人気の多寡、伝統的資格を理由としてではなく、私たちが自らに課した仕事の求めるところはなにかという観点から下されるべきだということです。

私の知る限りごく一部のみであるものの、ウィキペディアが反エリート主義、反専門家主義だという見解があるようですが、私はこれを是認しません。どちらかといえば私たちはエリート主義なのであり、ただし反資格主義なのです。学術的専門家を惹きつけ継続的に協力を得ることは、私たちの目標の一つです。つまり、私たちが求めているのは、思慮深く聡明であり、そして他人と協調して正確かつバランスのとれたものを作成するという非常に難しい作業に取り組む意欲のある人々です。それを満たせない場合は受け入れません。博士号はこの意欲を証明するのに有益ですが、上記の資質の代わりにはなりません。

博士号をもつ人が、自分の書いた専門的項目は他人が編集するべきではないと考えたり、自分の観点に疑問を呈されることを容認できなかったり、議論に応じる寛容さを欠いたりする場合があるかもしれません。そのような場合、彼らの専門性は限られた価値しか持ちません。周囲と友好的・協力的に作業できず、自分は資格をもっているのだから記事について最終決定権をもつべきだと感じるならば、彼らにとっても、私たちにとっても問題です。このような状況をいかに取り扱うかについては、今後も常に複雑な判断が必要となると思われます。

私は、ウィキペディアを「従来通りかそれ以上」の品質の百科事典にするという目標のために100%尽力していますし、私たちのコミュニティのルールは全てがこの目的のために展開されるべきです。オープンさと包括性は私たちにとって不可欠ですが、これらは我々の過激な目的のための過激な手段なのです。

理事会ごあいさつ
Article state : Editing - Proofreading - Translating - edit
Anthere、2005年5月アガディールにて

アンジェラと私が理事に選ばれてから一年が経ちました。この一年は刺激に満ちるとともに、困難な年でした。そして財団および理事会が実際に始動する最初の年でもありました。

財団の誕生は、とりもなおさず、2004年6月、ジンボが財団の趣旨を宣言した時にあります。その目的はウィキメディア・プロジェクトの必要に応じるための法的組織を作り、各プロジェクトの発展を支え、あわせてそのフリーかつオープンであるという性質を促進する、というものでした。手短に言えば、財団の設立により、プロジェクト初期にただよっていた商業的傾向(例えば wikipedia.com や bomis.com との関係)を取り除き、特定の理念にきちんと合致した体裁を整えることを目指していました。

一年前、財団は紙の上では存在していましたが、実体は何もありませんでした。ジンボには理事会がどのような形をとるべきか、具体的な考えがありました。彼の構想は四半期の会合と、基本原則についての幾つかの合意を行うというものでした。全部をあわせて考えても、さほど大変な活動ではありません...…

引用: 「理事会の役割は、ウェブサイトの日々の運営に全般的に関わるということでは*ありません*。理事会は財団に関する最終的な決定を委ねられた法人です。ウェブサイトの運営はまったく別の次元の話です。理事の仕事はさほど難しかったり、きつかったりするものにはならないと考えています。」 — ジミー・ウェールズ

しかしアンジェラと私は違ったふうに考えていました。アンジェラも私も、「会議にいくつか参加する」よりももう少し活動するつもりでした……そして、もう少しおもしろい立場を作り出してしまったのではないかと思っています。 (^^)

ジンボが技術および財政面の運営の主要部分を対処する一方で、私たちはすこしずつ私たちが考える私たちの役割の実現に取り組みました。すなわち、編集者の意見をジンボに伝えること、財団の総体的な運営を組織すること、理事会の行った決定を公表すること、執筆者の発案を援助すること、そして徐々に、ジンボの仕事のうち、彼が行い続けることが現実的でないのに、ますます彼が巻き込まれていっていたような作業を助けることに取り組みました。

皆さんによく聞かれるのは「いったいどんなふうに運営しているのか」ということです。その答えは、なんといいますか、この一年の間に変化してきました。2004年夏には、私たち3人ともたっぷり時間があり、IRCチャンネルを通じて一日中、話し合うことができました。7月、11月、12月と、3回にわたり会合を開くことができました。ジンボとアンジェラは、秋にロンドンにてともにBBCと活動しました……
アンジェラと私にとって、最大の困難は、自分の場所を見つけ、かつ、互いの足を踏み合わないようにすることでした。それはたやすいことではありませんでした。私たちは二人とも役立ちたいと、そして自分の仕事を高く評価されたいと強く願っていたからです。

今では事情が違います。アンジェラと私は、職業上の活動や私生活でも大変忙しくしています。今では3人がIRCに現れる時間も偶にしかかちあいません。ジンボは週日にはいないことが多くなりました。私たちのプロジェクトが世界的に成功を収めた結果、プロジェクトについての講演依頼は増える一方なのです。そして、ジンボは週末には私生活に時間を割くようになりました。

私たちのウィキメディアに避ける時間が少なくなり、それに伴ってストレスが増えているという否定的要素は、また肯定的な要素にもなると思います。私たちは財団に多くの時間を割いてきましたが、私たちにも個人の生活があります。私たちはプロジェクトに完全に依存しているわけではありません。

したがって、現在、私たちは以前よりはるかに非同期的に、メールやIRCでの一対一の話し合いで活動しています。以前にはジンボが担っていた役割をアンジェラや私が担う機会も増えています。例えばローカルでの衝突への対応や、法的な要請への対処などです。仕事は膨大にありますので、労働分担を試みています……その代償として、時には理事会の他のメンバーがすでに対応した問題について情報伝達が不足する事態もありますが。

理事会の活動の一部は執筆者に見えるものです。もっとも目立つものでは、Yahoo!とのパートナーシップの調印や、ウィキペディアの会合への参加があります。しかし、より日常的な理事会の活動はウィキの上にも、またもっとも参加者の多いメーリングリストにも現れてきません。私たちの日々の活動を構成するのは、数え切れないほどの電子メールへの対応、予算の作成、イベント運営、Quarto やプレスリリースの作成・配布への参加、財団ウェブサイトの更新、新部門やそのためのメーリングリスト作成の促進、名誉棄損や著作権侵害に関する法的訴訟の手続きへの対応、ロゴ使用の法的義務への配慮、各プロジェクトでの対立の調停、開発者への情報提供の要請、助成金の打ち合わせの設定、請願書への署名、学会でのプロジェクトについての発表、インタビューやプレスへの応答、ハードウェアの注文、非営利の状態についての確認、所得税の控除や資金調達活動の組織、パートナーとの契約に対する分析や意見表明、国別教会の創設への対応および支援、執筆者からの依頼の伝達、などなど……

これらを小さな一つの集団で対応することはできません。しかも、この集団は時に必要な基礎や決定がもたらしうる結果について決定的に知識が不足しています。たとえば、私たちの一人として法的な訓練を受けていません。したがって、恒久的な協力体制を織り上げ、すべてが最善の結果となることを願う必要があります。

そして、総じてそれがうまくいくのです!残念ながら、日々の作業量に圧迫されて、財団の然るべき発展に関する重要な決定が先送りになっている面はありますが。

財団は、今年、上に述べたような形で機能してきました。失敗もあり、部分的な成功もあり、そして成功もありました。日を追って、変わりゆく必要に応じ、不断の、しかし筋の通った成長のために奮闘しながら役割を作り上げてきました。投票ではなく、合意に基づく決定のために奮闘しながら、多くの人からの提案を支持しながら、可能な限り意見を聞き入れながら、です。この方法で今後も成長が続き、徐々にそして継続的に運営の確固とした基盤(財団にどうしても必要なものです)が構築されることを願っています。

Florence Nibart-Devouard, "Anthere" 17:58, 24 May 2005 (UTC)[reply]