Wikimedia Blog/Posts/2019年ウィキメディアン賞受賞者Emna Mizouniのご紹介

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先ごろ2019年ウィキメディアン賞を受賞したばかりのEmna Mizouniをご紹介します

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チュニジア出身で自由な知識を擁護するEmna Mizouniは、2019年ウィキメディアン賞に選ばれました。授賞理由はグローバルなウィキメディア運動における印象深い指導力、特にアラブとアフリカのコミュニティでの活躍、また、たゆまぬ努力によってチュニジアの広範な歴史と文化に対する認識向上に取り組んだこととされています。

Emnaはチュニジア最大の都市で首都でもあるチュニスで生まれ育ちました。歴史上、チュニスは地中海の西と東を結ぶその戦略的位置からカルタゴ帝国の首都となりました。スペインから北アフリカを経てコルシカ島にいたる海岸線に居住地が点在する国家でした。紀元前164年に破壊されたもののウマイヤ朝カリフの下で再び勃興し、現在の旧市街の多くは、その時代に築かれています。

それから数百年後、Emnaは「アラブの春」の最中に祖国の各地を旅して、これだけの歴史があるのに、ほとんど忘れ去られたことに気づかされ驚きます。これを打開するため、2013年に数人の仲間とNPO「Carthagina」を立ち上げました。「この活動では現在と将来の世代に向けて、私たちの国家遺産と歴史を保存し保護し、促進することに貢献しようとしてます」と言います。

それほどの目標を持つと、ウィキメディアとの提携はごく自然な成り行きでした。2013年、Emnaは国際的な写真コンテストWiki Loves Monumentsで投稿を始めます。これは私たちが前の世代から贈られた文化の構造物に注目、歴史遺産として焦点を当てたプロジェクトです。自分自身で写真を応募するかたわら、他の人にも投稿を呼びかけました。

それから数年、Emnaはウィキメディア運動—人間と組織のグローバルなコミュニティであり、共通のビジョンの追求を支える存在に深く深くはまっていきました。コミュニケーションおよび市場調査を手がけてきた経験上、次第に舞台裏の複雑な仕事が見えて来て、一般の利用者の目には触れない業務に関わるようになったのです。

Emnaは私に「目に見えない指導体制を信じています」と語りました。「この世に生きる私たちの一人ひとりに、強力なウィキメディアのコミュニティをさらに加速させる可能性があるのです。オンラインでもオフラインでも、自分の能力を使い技術を活かすことに違いはありませんから」

経歴には大規模なカンファレンス運営が数回あり、2015年に実施したウィキアラビア(英語版)という、史上初めてアラビア圏ウィキペディアのメンバーがボランティアで運営したカンファレンスも含まれています。その第2回も2017年にカイロで開催し、2018年にはウィキマニアのプログラム委員会副委員長を務め5日間にわたり基調講演や個別セッションほかの集まりが円滑に進むよう目を配りました。2016年には提携団体委員に、2018年には同副委員長に就任しています。同委員会は投票権のある委員と発言権はあっても投票権のない委員で構成されており、ウィキメディア運動に参加する提携組織の正式な受け入れに際して、ウィキメディア財団の理事会に推薦を行う機能を担います。

現在、Emnaはエディタソンやワークショップの運営を続けながら、ウィキメディア運動で実際に人が出会うイベントをチュニジア内外で開催しています。Carthaginaの代表を続け、その理念を発展させて別団体のNPOとしてデジタル市民権を扱う「Digital Citizenship」を立ち上げ、置き去りにされたグループやメディアを対象に、デジタルリテラシーとオンラインの安全性に取り組んでいます。

将来について「これからは文化や歴史以外にも目を向けて貢献していこうと思います。コンテンツやリソースが足りない分野にも注目するつもりです」と語っています。

コミュニケーションズ部門 上席編集主任 エド・イアハート
ウィキメディア財団

恒例のウィキメディアン年度賞は、毎年ウィキマニア会期中にウィキメディア財団創設者ジミー・ウェールズから表彰されます。ウィキマニアとはウィキペディア、ウィキメディアのプロジェクト群ならびにそれらに貢献するボランティアの皆さんを賞賛するカンファレンスです。本年はウィキマニア2019閉会式で表彰式が行われ、ウェールズとともに2018年度ウィキメディアンのFarhad Fatkullinが登壇しています。
この投稿は2019年8月16日付ウィキメディア財団の公式サイトへの掲載が初出で、そちらからCC BY-SA 3.0を継承しています。