ウィキメディア概報 (2012年6月)

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2012年6月のウィキメディア財団報告書及びウィキメディア技報抄録ほかウィキメディア運動の重要行事について

ウィキメディア財団概報

来るべき基金分配の構造について、顧問団が議論

サンフランシスコでのFDC顧問団会議

6月9日~10日、今後の基金分配委員会(Funds Dissemination Comittee; FDC)の構成のための顧問団が、サンフランシスコの財団のオフィスに集まりました。共同体のボランティア、ウィキメディア理事、地区会代表、財団の職員およびブリッジスパン・グループのメンバーにより、基金 (2012~2013年の1000万米ドル以上) の財団、地区会、および他のグループへの分配に関する決定を、FDCがどう誘導するかについて議論されました。この結果として出された勧告に基づき、その後理事会は、FDCの憲章と初期の稼働を承認しています。FDCの委員への立候補(自薦)がウィキメディアンに呼びかけられています。

ビジュアルエディタ事業のロゴ

ビジュアルエディタ、試作品の2つめが発表

ウィキメディア事業の「直観編集器」の新しい試作品が発表されました。ページを作成したり編集したりできるものとしては初めてのものです。これにより、利用者が複雑なウィキテキスト構文を学ぶ必要なく、貢献できるようになることが期待されます。

「茶店」試験は励みになる結果で完結

新参のウィキペディア編集者が経験豊富な共同体の構成員から支援を受けることができる茶店は、報告書指標値表を発表し、ウィキペディア英語版の3ヶ月の試験段階を完了しました。試験に参加したボランティアは568人でした。調査によれば、70%が茶店での経験に満足したと回答し、満足しなかったとの回答はわずか5%でした。茶店に招待された新参編集者は、招待を受けなかった人より、その後ずっと多くの編集をしました。ウィキペディア全体の編集者の女性比率は9%ですが、茶店関係者は28%でした。

ハッカー、ベルリン招集

ベルリン・ハッカソンの全景

30ヶ国から100人以上の関係者がベルリン・ハッカソンに参加するためにベルリンに集まりました。これはウィキメディア・ドイツ地区会とウィキメディア財団による共催です。参加者には、MediaWiki開発者、Toolserver利用者、システム管理者、ボットの作成者・維持者、ガジェット作成者ほかウィキメディア技術者が含まれます。共同体はウィキデータRENDER事業についても学習しました。

データと傾向

5月の全世界純訪問者数:

4億9239万人 (4月比+4.02%、前年比+19.79%)
(ウィキメディア財団全事業のcomScoreの数値。6月の数値は翌7月にcomScoreから発表される)

6月の閲覧要求回数:

181億回 (5月比+0.2%、前年比+22.7%)
(携帯情報端末による接続を含む、ウィキメディア財団全事業。サーバー記録)

2012年5月の活動中の登録編集者数(月間編集回数5回以上):

85,200人 (4月比+0.38%、前年比+3.25%)
(ウィキメディア・コモンズを除くウィキメディア財団全事業。データベース数値)

2012年5月の通知表(WM財団事業に関する様々な統計データと傾向を統合): http://reportcard.wmflabs.org/

財務

ウィキメディア財団の年度累計収支 (予算対照、2012年5月31日時点)
ウィキメディア財団の年度累計支出・部門別 (2012年5月31日)

(決算情報は、本報告の2012年5月時点)

次の決算情報は全て、2011年7月1日~2012年5月31日期のもの。

収入 $ 35,563,497
支出
 技術費 $ 10,979,122
 共同体・募金活動費 $ 3,612,603
 全世界展開費 $ 3,882,629
 統制費 $ 863,259
 財務・法務・人事・運営費 $ 6,127,792
支出合計 $ 25,465,405
総利益(括弧は損失) $ 10,098,092
  • 月間収入は、予算$16万2千に対し実績$65万9千と、予算を$49万7千(306%)ほど上回りました。
  • 年度累計収入は、予算$2900万に対し実績$3560万と、予算を$660万(23%)ほど上回りました。
  • 月間支出は、予算$220万に対し実績340万と、予算を$120万(50%)ほど上回りました。予定されていた資本支出の遅れを取り戻したことが主な原因です。
  • 年度累計支出は、予算$2570万に対し実績$2550万と、予算を$25万2千(1%)ほど下回りました。
  • 現金持高は$2910万(2012年5月31日現在)。約12.5ヶ月分の費用に相当。

その他の活動概報

「アフリペディア」が遠隔地のアフリカ地域にオフラインのウィキペディアをお届け

アフリペディア(Afripedia)」と呼ばれる新しい企画により、インターネット接続があまり良くない西アフリカの領域でも、ウィキペディアが利用可能になります。この企画は、ウィキペディアのオフライン (Kiwix) 版をフラッシュドライブにインストールします。フラッシュドライブは画面もキーボードもない省電力のプラグ・コンピューターに差し込まれ、オフラインのローカルWifiネットワークに接続されます。WiFi信号を受け取ることができれば、誰もが内容に接続できます。この事業は、ウィキメディア・フランス地区会のフランコフォニー大学機構 (Association of Universities of the Francophonie – AUF) 及びアンスティチュ・フランセ (Institut français – IF) との協力によるものです。西アフリカ15ヶ国の約20の大学で始まります。

第2回「Iberoconf」首脳会議がサンディエゴ・デ・チレで開催

6月の第1週目の週末、第2回イベロアメリカ・ウィキメディア首脳会議 (「Iberoconf」とも) がサンティアゴ・デ・チレで行われました。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、イタリア、メキシコ、ポルトガル、スペイン、ウルグアイ、およびベネズエラのウィキメディア地区会の代表のほか、パナマ・ペルー・ウィキメディア財団・ウィキメディアドイツ地区会からの客員が出席しました

ウィキペディアに関する研究での「ウィキペディア・アカデミー」

6月末、「ウィキペディアアカデミー2012」がウィキメディア・ドイツ地区会によって開催され、ベルリンに学術研究者とウィキメディアンが集まりました。会議には、ウィキペディアに関する研究と、自由知一般に関する研究が提示されました。様々な文書と動画が、オンラインで利用可能です。

2012年7月5日の月例ウィキメディア財団の指標・活動会議は、通常通り6月について集中することはせず、代わりに2012~2013年度計画について話し合われた。録画動画は年度計画発表の頃合にコモンズにアップロードされる