ウィキメディア概報 (2013年12月)
2013年12月のウィキメディア財団報告書及びウィキメディア技報の抄録ほかウィキメディア運動の重要行事について
ウィキメディア財団概報
ウィキメディアの編集方法を説明する新たな冊子
教育プログラムチームは、「ウィキペディアにようこそ」冊子(現在のタイトルは「ウィキペディアを編集する」)の全く新たなバージョンに関する作業を完了しました。また、他の言語への翻訳もされています。
「草稿」機能により、ウィキメディアの記事をより穏当に開始
12月に、新たな草稿名前空間が、英語版のコミュニティの要望により、英語版ウィキペディア上でローンチされました。全利用者(登録済みか匿名かに関わらず)に即座に公開するのではなく、草稿として新記事を開始するオプションを提供します(即座の公開は、改善されるより前に削除依頼に出される危険性を伴う可能性があります)。草稿はページタイトルに「Draft:」を伴い、検索エンジンには表示されません。
年間計画助成金(FDC)と個人活動助成金(IEG)の受領者が発表
11月に、11のウィキメディア組織が、2013/2014年度の第一段階でのボランティア運営の資金配分委員会(FDC)の推薦の後、合計440万ドルの年間計画助成金を授与されました。承認された金額は、要求総額の594万米ドルよりも少なく、成長について思慮深くあれというFDCの組織への助言を肯定する内容でした。
また、12月に個人活動助成金(IEG)の第二段階に対する7つの事業の選出が発表されました。これらは、outreachからツール構築まで、すべてコミュニティを繋がらせ支援することを狙いとした活動に焦点を当てています。
成功に終わった年末オンライン資金調達キャンペーン
ウィキメディア財団資金調達チームは、年末のオンライン資金調達キャンペーンを実行しました。概略で1870万米ドルが12月に100万人を超える寄付者から募られました。キャンペーンが全力を挙げて実行された2週間で、チームはおおよそ250個の異なるバナーを作成し、テストしました。バナーは2014年の最初から最後まで他の国々や言語で運営される予定です。
データと傾向
11月の全世界純訪問者数:
- 5億3300万人 (10月比+9.95%、前年比+0.42%)
- (ウィキメディア財団全事業のcomScoreの数値。11月の数値は翌1月にcomScoreから発表される)
12月の閲覧要求回数:
- 182.7億回 (11月比-4.0%、前年比-9.4%)
- (携帯情報端末による接続を含む、ウィキメディア財団全事業のサーバー記録による)
2013年11月の活動中の登録編集者 (5回以上記事名前空間編集/月、ボットを除く):
- 74,803人(10月比-1.33% / 前年比-4.88%)
- (ウィキメディア財団の全事業のデータベースのデータ)
通知表(ウィキメディア財団事業に関する様々な統計データと傾向を統合):
(定義)
財務
(決算情報は、本報告の2013年11月時点)
次の決算情報は全て、2013年11月30日時点の月度・年度のもの。
収入 | 14,609,876 |
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支出: | |
技術費 | 6,589,458 |
資金調達費 | 1,439,053 |
助成金授与費 | 720,055 |
プログラム費 | 723,516 |
助成金 | 950,624 |
統制費 | 302,012 |
法務・コミュニティ法的支援・通信費 | 1,367,697 |
財務・人事・運営費 | 3,029,513 |
支出合計 | 15,121,928 |
合計損失 | (512,052) |
(米ドル) |
- 収入は、当月は予算883万ドルに対し実績296万ドルと、予算を587万ドル(66%)ほど下回りました。
- 会計年度内の収入は、予算では1671万米ドルであったのに対し、実績は1461万米ドルで予算を約210万米ドル(11%)下回りました。
- 11月度の支出は、予算の373万米ドルに対し、実績は289万ドルとなり、予算を844千ドル(23%)ほど下回りました。主に、人件費及び資本支出、インターネットホスティング、払処理手数料、渡航費への支出の低下によるもので、外注サービスと採用費の高騰が一部を打ち消しています。
- 会計年度内の支出は、予算では1843万米ドルであったのに対し、実績は1512万米ドルと、予算を331万米ドル(18%)ほど下回りました。主に、人件費及び資本支出、インターネットホスティング、裁判費用、支払処理手数料、職員開発費、渡航費への支出の低下によるもので、外注サービスと採用費の高騰が一部を打ち消しています。
- 手元資金は2013年11月30日時点で3880万米ドルです。
その他のウィキメディア運動の概報
ウィキ・ラブ・モニュメント 2013の入賞者が発表
自由なライセンスが適用されている国定史跡の写真をウィキメディア・コモンズにアップロードするコンテストであるウィキ・ラブ・モニュメントの2013年度版が、12月に全世界入賞者の発表で締めくくられました。今回は52カ国で51の国別ないし地域別コンテストがありました。365,000枚以上の投稿があり、2012年からの記録が破られました。コモンズのユーザー Kabelleger (David Gubler)による、全世界優勝写真は、スイスの山脈にある橋が電車に横切られているところを撮影したものです。
GLAM用新ツールでウィキメディア・コモンズに大規模アップロード
GLAMwiki ツールセットが、12月17日にウィキメディア・コモンズで有効化されました。これにより、GLAM 組織(美術館や図書館、公文書保管所、博物館)が多数の画像(や他のメディアファイル)を一度にアップロードすることができるようになり、同時にXML形式で自動的にメタデータをインポートできるようになります。この新たなMediaWiki 拡張に関する作業は、ヨーロピアナ及びオランダとイギリス、フランス、スイスの各ウィキメディア支部が資金を提供しました。