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ウィキペディアに関する論文がイタリア語版ウィキペディアのユーザのヴァレンティーナ・パルッツィによって書かれました。イタリア語の論文はWikisource で、英訳はこちらでお読みになれます。

この論文は、知識の「集団的生産」について論じています。集団的生産はしばしば論じられる問題で、40年以上にわたって現代のメディアで形成されてきました。その特徴は「知識の共有」の道具及び「集団内に関係を作る手段」としてコンピュータを中心にすえることにあります。この論文ではネット上での知識の集団的生産の一面を論じますが、その特徴を表す活動例として、ウィキペディアプロジェクトを取り上げています。

ウィキペディアのコミュニティについて精細な観察が行なわれます。ミーティングに参加しての「参加者としての観察」にもとづく「仮想の民族史」が書かれ、これにはネットワーク上での聴き取り調査と結びついたネットワーク外での聴き取り調査が伴っています。この観察に加えて、PCの社会構造の初期の段階に始まり、生産の様式と集団の調和を批判的な分析に至る複雑な経路を追跡します。ウィキペディアを、つまりオープンソースというものを内部から観察できるほどに接近するのです。ここで、オープンソースについての理論の中核をなす、リチャード・ストールマンとエリック・レイモンドの二人の理論家の考察を分析します。

次に、さまざまな干渉に注目します。これはネット上での知識の協同生産を支える社会構造の形態を明らかにするために一番役に立つと思われるものです。人文科学の分野では、複雑系と新たなシステムに関する数々の理論を用いることで、こうした干渉の存在が示されました。そしてアルバート・ラズロ・バラバシは、人文科学の分野で示された以上のことを、ネットワークと新たなシステムに関する構造的理論を用いることで形式化しました。 この理論的枠組から始めることで、その研究分野において独自の結果に行き着きます。イタリア語版ウィキペディアには2つの側面が混在していることが分かったのです。ひとつは、発生の力学と複雑系の力学を思い出させる側面です。もうひとつは、仮想コミュニティに関する多くの文献に描かれているようなコミュニケーションの様相を、より典型的に示す側面です。