Learning patterns/©©-Change your mind - オープンライセンスを主題にした楽しいワークショップ
解決される問題
オープンライセンスの使い方には不確かなことがたくさんあります。著作権、パブリックドメイン、ライセンス関連法規など、バズワードが次々飛び出し、いくつもの文化機関で問いや不確かさが湧き上がりがちです。所管の電子化コンテンツをウィキメディアその他でフリーに再利用できるように印をつけるよう求められると、戸惑ってしまうGLAM 機関の職員はおおぜいいます。 クリエイティブコモンズのライセンスのみを見ても7種あり、そのうちウィキメディア流にフリーなのは3種に限られます。著作権関連法規の他にも、自身の画像作品に関する諸権利、寄贈者や貸与者の動産権も考慮の対象です。これらの不確かさから、電子化されたコンテンツにフリーな使用可能という印を付ける対応がしばしば阻害され、ひるがえってウィキメディアのプロジェクト群で再利用できなくなっています。
解決策は?
ウィキメディア財団ドイツ支部はドイツ電子図書館と共同で GLAM 機関の職員を対象に楽しい研修プログラムを開発しました。3部構成の研修は実施時間が合計2時間ほどです。研修の現場としては、基本的に所管の電子化コンテンツを最大限にオープンコンテンツに移行する予定の整った GLAM 機関で実施されると理想的です。また複数のシンポジウムの会場で実施して成果を上げてきました。
第1部:
導入の講義によって、世の中に溢れる情報を3つの事例に絞り込みます。参加者は天使コンテンツにパブリックドメインの印を付けるべき場合について学びます。講義ではクリエイティブコモンズのオープンライセンスに関して、主に表示ライセンス (CC BY) に注目します。このライセンスがコンテンツの再利用を促す上で特に優れている理由、データ提供者の可視性が高まることを講義で明確に提示します。他のライセンスの種類は概要のみ紹介します。終わりに、その他の法的な課題を考慮して再利用を認めるライセンスの付与を回避すべき事例を講師から説明します。著作者が不明、あるいは人格権やデータ保護その他の守るべき条件を優先する必要がある事例です。 講座は質疑応答を含めておよそ 30 分。
第2部:
講義に続いてグループ作業に入り、参加者は小グループに分かれて特定のサンプルをオープンライセンスとして印をつけるかどうか、 模擬実習を行います。全員、赤か青、緑のコインを引き、グループ分けは任意に行われます。それぞれのグループには3色のコインの持ち主が1名以上加わるものとし、青は進行役、オープンライセンスの支持者は緑、赤は不支持の人です。どの役割が回ってくるかわからないため、参加者がすでに持ち合わせている概念は揺さぶりをかけられます。それぞれのグループには、多種のメディアファイルを組み合わせた一式を用意してあり、添えられた複数の情報を活用し次の3種のどれに分類すべきかきちんと決断します。A) パブリックドメイン。 B) CC-BY。C) 錠前付き。これら3つの事例は情報シートを渡して参加者が知見を備えた決断ができるようにしています。グループ演習は最低30分の予定です。
第3部:
第3部では発表者からそれぞれのグループの成果を発表します。もし別の2つのグループで、特に同一のメディア評価が異なった場合に興味をひかれます。たとえば一方は古い花瓶をパブリックドメインに属するべきと判断し、他方は撮影者不明を理由に錠前マークを付けるべきと決めるかもしれません。その討議に進行役が立ち会うことで、コンテンツにどのマークを付ける判断基準は単なるレクチャー以上により明確になります。研修プログラムでは参加者が学んだ点をその場で実地に使いその意思決定の評価も受ける仕組みを採用、オープンライセンスに関する不確かさを減らすために大いに役立ちます。プログラムの終わりの部分はやはり30分以上を見込んでいます。
ウィキメディア ドイツ支部はDDBの監修を受け、次のメディアを作成しました。:
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