User:Makotoy/Res living biography transl ja
存命中の人物の評伝に関する財団の姿勢を示したこの決議は2009年4月に採決されました。
ウィキメディア財団はこの機会に、共有された展望、使命および価値観に関連した根幹となるいくつかの原理を繰り返しておくことにします。私たちのプロジェクトすべてにわたる価値観の一つに、中立的な観点を維持することに取り組む、というものがあります。
ひろく価値があり有用な知識の情報源を提供するための試みにおいて、私たちはまた、正確な情報を提供することによってこの価値観を補強するという責任を負っています。ウィキメディアプロジェクトの参加者は膨大な量と視野の資源を作り出してきました。何年かの間強調してきているように、手にすることのできる情報の量のみならず、その質もまた欠くことのできないものです。ウィキメディアプロジェクトにおける情報の質が一般的に高いと言えることは数々の研究で確かめられてきましたが、改善のための努力を絶やさないこともだいじです。教育的・知識的な題材を提供するいかなる試みにも言えるように、誤りは避けられなければならないし、とくに害のおきる可能性のある場合はなおさらです。これに当てはまるものとして存命中の人々について書くということがあげられます。
検索エンジンによる検索結果の上位に、どんな種類の照会であれ、ウィキペディアの記事がくるということが多くなってきています。これは、潜在的な雇い主や同僚、友人、隣人、知人が個人のことを調べたときに、なにかをウィキメディアのサイト上で見つけるかもしれないということを意味しています。ウィキメディアのプロジェクトの人気があがるにつれて、存命中の人々に関する記事が中立な観点に立ち、正確で情報源をきちんと挙げているようにしておくという編集コミュニティの責任も大きくなっています。
私たちの人気があがるにつれて、いくつかの問題があきらかになりました。
- たくさんの人々が過剰なまでに宣伝調の、自分たち自身についてだったり、崇拝する人々についてのものだったり、あるいはお金をもらって代表している人々についてのものだったりする記事をつくっています。これは中立的でないし、私たちのプロジェクトの中にそのようなものの居場所はありません。一般的に言ってウィキメディアコミュニティは、「聖人伝」は削除するなり改善するなりして、このよくある問題からプロジェクトをうまく守っています。
- 場合によっては存命中の人々に関する記事が荒らされることもあります。ウィキメディアコミュニティは荒らしに対抗する道具と技術を発展させてきており、一般的にはほどよく機能していると言えるでしょう。
- 存命中の人々についてのいくつかの記事には誤りが含まれていたり、うまくかけていなかったり、きちんと情報源が示されていないと言うこともあります。一部にしかよくしられていないような人々についての記事は見逃されがちだし、たとえ改善されていったとしても、それにはより長くの時間がかかります。
- 他人を中傷するための編集も時にはあります。これは、とくに悪意の編集者が継続して関わっている場合には、同定して対抗するのが難しいものです。
ウィキメディア財団諮問委員会は世界中のウィキメディアコミュニティに対し、以下のようにして質の高い正確な情報に対する取り組みを堅持し強化することを勧告します。
- 存命中の人々を説明することのあるプロジェクトではどの言語版でも、それらの記事について中立性と検証可能性の原則について特別に注意を喚起するポリシーをもうける。
- とくに、短期間ないし限られた興味の題材を扱う記事における情報の追加や削除の際に、人間の尊厳と個人のプライバシーの尊重を考慮する。
- とくに存命中の人々に関する編集を判断したり、読者が問題をよりよく報告できるような技術的な仕組みを調査する。
- わたしたちのプロジェクトにおける自分の説明のされ方について苦情のあるいかなる人に対しても、忍耐と思いやり、配慮をもって接し、その姿勢をまわりにも促す。