ウィキメディア財団理事会掲示板/理事会決議ならびに運動憲章草案の投票
- この連絡文「ウィキメディア財団決議ならびに運動憲章草案の投票」は2024年7月11日付でナタリーア・ティムキフ名義で発信したものです。(Nataliia Tymkiv)
ウィキメディア財団理事会決議ならびに運動憲章の草案の投票について
皆さん、こんにちは、
運動憲章草案の批准に関してすべての利害関係者の投票集計を待つ間に、ウィキメディア財団理事会は7月8日 (月) の会合で協議し、財団の票を投じました。
ウィキメディア財団理事会を代表し、投票結果の発表と理事会決議、会議議事録を皆さんにお伝えし、あわせて今後の段階をご提案します。
運動憲章の草案
憲章案は他の複数の関係者と並行して運動憲章起草委員会が行った膨大な作業量を反映したものです。憲章の立案は運動戦略プロセスから発したいくつかの推奨事項の1つであり、ウィキメディア財団を導き続ける戦略的方向性と並行しています。
憲章案に対する投票は同時に、当初の運動戦略プロセスが2018年に始まって以来、何が変わったのか – そして変化し続けているのは何か – 私たち全員にとって振り返る機会となりました。財団はこれらの問題を年次計画、戦略計画の優先順位および他の場所で一貫して特定しようとしてきました。対象には – 検索の特質から生成AIの台頭まで – インターネットが急速に変化し断片化するにつれて数を増やし続ける外部の脅威(およびいくつかのチャンス)が含まれます。またコンテンツやプラットフォームには世界で規制も増しており、参加者やプロジェクトに影響を与えています。さらに、私たちが集団として持ち合わせる資源は、これまでの期間ほど急速な伸展を見せていません。このため優先順位やトレードオフ、実用主義をより明確にする必要が生まれました。
これら無数の課題と複雑な現実があるからこそ、ウィキメディア運動内の役割と責任を明確にすることは、ますます重要になっても、軽んじるわけにはいきません。そこで理事会と財団はこのタスクを引き受ける上で、まずは運動憲章起草委員会を大いに支援した後に、この時点で前進する最善の方法を慎重に評価してきました。
私たちは憲章草案の意図から解決策を得ること、そして私たち全員が将来のグローバル評議会から利益を受け取る場所を検討したいと望んでいます。これを私たちが実現できるとしたら、今後の段階を具体的に実用的に、時間枠を決めて定めることが唯一の方法であり、憲章案を最終的な形で全面的に採用するのではなく、むしろ憲章の最終稿の文中に特定された分野に基づくと良いと信じています。
理事会決議
したがって今週の臨時理事会では、ウィキメディア財団理事会は、憲章草案を批准しないと投票しました。理事会決議の全文[1]および同会議の議事録をご一読ください[2]。
理事会はまた今後の方法を1件承認し、将来のグローバル評議会が引き受ける予定であり運動憲章案で特定された3つの分野に関して、財団とその提携団体およびコミュニティ参加者が共同で実施できる3つの実験が含まれています。提案類の概要は付録の決議[3]に含まれ、これらの主要分野の具体的な提案を添えてあります。この中には資源配分、技術の進歩、ウィキメディア運動組織の支援に関連する提案の実現可能性をテストする実験が含まれます。これら共同実験の解決策の設計は共同責任を目指し、ウィキメディア運動全域の技能を基本に構築するものとします。これらの提案を形作るには、批准投票の過程で受け取ったコメントを役立てます。
今後の見通し
この原稿を用意する段階ですが、個人の有権者2,451名が参加、また提携団体から129票が集まり、どちらの集団も定足数を満たしています。投票の集計結果は7月24日を期日としてコメントと共に公表し、次の段階の案が出ているなら、投票者から寄せられたすべてのご意見や振り返りおよび勧告を反映できるようにします。
それに続いて、今後の数ヵ月にはオンウィキとオフウィキに空間を設営する助力をお願いし、そこでは、現状であがっている特定の提案にさらに多くのフィードバックと改善を集めて、共に前進しようとする私たちの助けにしていきたいと願っています。出席を計画している人にとっては、これはウィキマニアで実現するでしょうし、またウィキマニアでは、運動憲章起草委員会の皆さんにきちんと感謝の気持ちを述べる予定です。
その間にコメントを提供する場合はメタウィキにあるメインの附属書のトークページに投稿先してください[4]。あるいはまた、話し合い:2024の一環として会話をリクエスト願います。担当の私や他の理事との面談はLet's Talkを使ってどの時間枠に話したいか申し込んでください(サインアップ)。
リンク集:
どうぞよろしくお願いします。
antanana / Nataliia Tymkiv
ウィキメディア財団理事長