事案通報システム/更新記録

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事案通報システム

更新情報

事案通報システムのベータ環境におけるMTPをテスト – 2023年11月10日

編集者の皆さん、開発初期段階の 事案通報システムの仮説検証可能な最小限の製品(MTP=Minimum Testable Product)のテストにご参加ください。

信頼安全製品チームでは事案の発生に備えて、各利用者がトークページから通報できるよう、基本的な製品版を作成しました。

注期:この版の製品は、非公開のメールアドレス宛に送る通報について、知見を得るためにあります。(例えばemergency(_AT_)wikimedia.org または管理者グループ。)シナリオとして想定できるすべての場合に対応できるわけではなく、公開の伝言板への対応はできません

この初期段階が効果的かどうか判断に使いますので、ぜひ皆さんのフィードバックをお寄せください。

テストをしてみる:

1. ベータ版のウィキペディアで好きなトーク名前空間のページを開き、そこに協議があることを確かめます。サンプルのトークページは User talk:TestingTalk:African Wild Dog ですので、ログインしてどちらかを使うことも可能です。

2. 次に画面上のコメント窓の Reply リンクのそばにオーバーフロー・ボタン(縦に折りたたみ式)があります。それを押してメニューを展開、Report をクリック(スライド1ご参照)。あるいは Tools メニューの Report リンクを押します(スライド2)。

3. 次に通報の手順に進み、フォームに記入して送信します。するとメールが信頼安全製品チームに届き、このアドレスでしか皆さんの通報は読めません。今回はあくまでもテストであり、現実に発生した事案の通報には使えません。

4. テスト中は、次の質問を頭に置いて操作してください。

  • この通報システムの感想は? 特に、どこがよいか、嫌いな点はどこですか?
  • 拡張機能というものに慣れている人なら、これを皆さんがいつも活動するウィキに導入したいですか?
  • この諸機能通報段階で、何か見落とした課題はありませんか?

5. テストが完了したら、トークページにご指摘やご意見、ご質問を投稿してください。

情報更新:事案通報の調査結果とわかったことを公開 – 2023年9月20日

事案通報システム・プロジェクトは、試案版ウィキにおいて嫌がらせ行為に関する調査を完了したところです。

2023年初頭に始めたこの調査はウィキペディアのインドネシア語版と朝鮮語版を対象に、嫌がらせ行為の内容の把握と、通報の方法、通報を受けた人の対処手順はどのように進むか理解するためです。

調査結果を公表しました。

事案通報の調査結果からわかったこと2023年版

2023年7月27日 – 事案通報プロジェクトの更新4件

皆さん、こんにちは。さて当信頼安全製品チームでは、この2ヵ月ほど Incident Reporting System(事案通報システム)の第1段階の仕上げに取り組みました。

この段階の目的は皆さんのフィードバックに対応するように、製品の方向性の定義と展望をまとめることにあります。次の段階に何をすれば良いか、よりよく理解できました。

1. プロジェクト名を事案報告システムに改称(Incident Reporting System)

プロジェクト名を事案通報システムすなわちIncident Reporting System と改称、従来の「Private」非公開情報を除去しました。

嫌がらせ対策とユニバーサル行動規範(UCoC)の文脈では、「非公開」(Private)とはコミュニティ参加者の個人情報を尊重し安全性を確保することです。通報の過程が全て非公開という意味ではありません。

お寄せいただいたフィードバックには、この用語は誤解を呼びやすく英語以外に翻訳しにくいというご指摘がありました。そこで除去した次第です。

2. パイロット対応のコミュニティから寄せられたフィードバックを皆さんと共有する予定

嫌がらせ行為に関しては、ウィキペディアのインドネシア語版と朝鮮語版のコミュニティにおいて調査しました。フィードバックに基づき、これらのコミュニティの利用者の皆さんが嫌がらせ行為をどのように通報したか理解し、その情報から系統図(マップ)を作成して文書化しました。どちらのコミュニティでも私たちが調べた限りでは、これらのマップから現在、利用者が嫌がらせ行為や虐待の事案をどのように通報しているか読み取れます。

これらの手順案にフィードバックをお寄せいただく場合は、トークページに投稿をお願いします

3. プロジェクトのまとめを更新

今後のために構築しておきたいこと

  • 当信頼安全ツール・チームでは(訳注:嫌がらせ)事案/UCoC違反の通報用拡張機能を開発する計画です。
  • この拡張機能は設定可能にする予定で、コミュニティごとにそれぞれのローカルの過程に適合可能
  • 拡張機能の名称は ReportIncident(事案通報)
  • この拡張機能の目標を以下に記します。
    • ウィキメディアンが関与したあれこれのUCoC違反案件に関して通報を促進する
    • これら通報を適切な実態へ申し送り、対応してもらう
    • 信頼できる通報を促し、対応不能な案件を選別/転送。
    • ローカルの手順に沿った通報を両方の面、すなわち非公開(固有のメールアドレス宛てなど)でも公開(ウィキ上の管理者掲示板など)でも容易にします。
  • 拡張機能は事案に依存しないことを目指します(さまざまな種類の事案の通報に対応する機能)。("※"=incident agnostic。)

作業対象としないこと

  • このシステムの目的は通報と手続きへの申し送り(ルーティング)に限定され、内容の処理には対応しません。
  • このシステムの対象はUCoC違反に関する事案です。 他の種類の申請にはこれを使用しません(技術面の支援、アカウントのアクセス関連など)
  • このシステムの目的は、Wiki 上の既存の手順を置き換えることではありません。このシステムを介し、既存の手順がもっと使いやすくなることを目指します。

4. 通報拡張機能ReportIncident は繰り返し開発のスタート段階

昨年11月の話し合いでは、範囲をごく限って小規模に始めるにはどうすればよいか考え、繰り返し開発の最初の段階では非常に基本的な利用者体験を作成しようと決めました。

繰り返し開発初期として今回は何をするの?

  • 利用者トークページから通報できる。
    • 主題の見出しは対象。
    • コメントは対象。
  • 基本的なフォームに記入すると提出できる。
  • 送信先は固有のメールアドレス(テスト目的のためアドレスはダミー)。

設計

MTPのv. 1(テスト対象の最小版製品)では、ウィキメディアン個人の皆さんから記事の見出しあるいはトークページのコメントが嫌がらせなど不適切であると通報できるようにします。設計の具体案は以下のとおり。

設計の展開 – 次の段階とは

信頼安全製品チームでは現在、これらの初期設計を MTP として開発中しています。ベータ・クラスターへの展開、内部でテストし概念を実証します。その目的は技術に実現可能かどうか評価することにあります。すべてがうまく進んだ場合、次の段階でtest.wikimedia.org に展開して、使い心地をテストしてフィードバックを集めます。

初回の展開に関して、皆さんのフィードバックをトークページでお待ちしています。

2022年11月8日

この1、2ヵ月にわたり当チームでは問題発生の空間の把握と、皆さんが何に苦慮されている点、ニーズとこのプロジェクトが期待されていることを理解しようと努力してきました。その具体的な道すじは次のとおりです。
  • 嫌がらせ行為に関する調査その他の関連文書を通読し総合評価(2013年以降)。
  • ボランティアの皆さんで、ウィキペディア関連で嫌がらせ行為の当事者もしくは目撃者であった人にインタビュー(取材)
  • 財団職員、ユニバーサル行動規範(UCoC)起草委員、ウィキの役務者との協議

私たちは目的として優先順位、課題の広がり、製品の方向性として可能なことを識別しようとしました。

発見したこと、次の段階

安全に注力する

コミュニティの包括性と安全性に役立つことを目指す運動戦略の勧告。私たちの究極の目標はウィキメディアのプロジェクト群に参加する人々が安全だと感じることにあり、これを指針として実用最小限の製品(MVP)で注力するべきことに取り組みます。

プロジェクトの取り組み方:初めは小さく

当プロジェクトを考えるとき、思慮すべきことはたくさんあります。

  • 多種多様な利用者:レポートする人、反応する人、評論する人、告発を受けた人、モニターする人
  • 使い方の多様性:: 晒し、職権乱用、コンテンツ違反、セキュリティ違反、法的な問題など
  • 複雑さの多面性:管理者が嫌がらせ加害者である、オフウィキの嫌がらせ行為、政府の干渉など

当プロジェクトは時間の経過とともに進展してより複雑さを増していく見込みです。'そのため小さく小さく始めて、初めから複雑さが高いところに飛び込まないことが肝心です

焦点は2種類の利用者

利用者層について、複数のタイプがあるとわかりました。

  • 通報者:嫌がらせ行為を受け、事案(report)として届け出る人。
  • 対応者:事案の通報を受けた利用者で、手を貸そうとする人(人たち)。
  • 被通報者:事案で告発された利用者。
  • Monitor:事案の経過を追尾する人。目的は問題のより深い理解もしくは当事者が確実に適切に扱われるよう図るため。

最初は小さく始めるために、当初は通報者と対応者に焦点を当てます。

実用最小限の取り組み (MVPの短期目標)

近付きたい方法は、基本的な経験が実際に機能するか解決する手助けとなる小さなものを構築することにあります。

MVPの根本方針

  • 設計し試験し数個のパイロットウィキで公開します。
  • 目的が安全に取り組むことにあるために、UCoC3.1(ハラスメント)だけを対象にするつもりです。
  • 二つのユーザーグループのためだけに基本的な経験を調査します。
    • 報告者は報告を提出する方法を理解し、報告過程を完了するのに十分な満足を感じます。
    • 問題を理解するために必要な情報を提供しながら応答者は明確な報告を受け取ります。
  • MVPは現在の体制に繋がります(いかなる現存するプロセスを変えることはありません)。

この実験は重要な疑問を探求し回答し行うべきことを学ぶ助けにもなるべきです。

  • 入口(報告活動が始まる場所):何であり一つまたは複数持つべきか。
  • ユーザー:人々は容易に入口が見つかるか。従事する際に起こることを考えているか。
  • 規模:規模でできるか。応答者を力で圧倒するか。
  • データ:決定するために必要なデータを集める手助けとなるものを構築できるか。正しい方向に向かっていることを知るために何を評価できるか。

未着手の部分(現状)

この考え方は本当に狭い範囲で始まり数個のものを試しすべきことを学ぶことにあります。従ってまだするつもりのないことは非常に明確にする必要があります。

  • 悪い運営などの複雑な利用場面のためには解決していません。
  • 現存する欠陥のあるプロセスには合致していません。
  • UCoCのものは必ずしも安全に関するものではありませんが、安全にだけ焦点を当てています。
  • 不可知論的な報告 – これを行うには、基本的な報告体験が特定の種類の事案でも機能するかどうか検証することが先決です。("※"=Agnostic reporting。)

MVP 以降の流れ(長期の視点)

バージョン2と3に関するアイデアはいくつかあるものの、当初はMVP(実用最小限製品)を試験して皆さんに諮り(はかり)、反応を知りたいと考えます。この段階で学んだことは、将来のバージョンに関する決定にきっと役立つからです。

そのバージョン2と3関連のアイデアには以下を含みます。

  • 非公開の通報(非公開の空間を設けて通報者と対応者が交流)
  • 申し送り(Escalation=チーム外の実態に事案対応のサポート追加を依頼するため、先方に送る経路を設ける)

これら2案の妥当性を探るため、基本的な/核となる経験が実際に有効であることを確認しなくてはなりません。有効とわかったら、その上に構築していきます。

協議の主題

  • この取り組み方について、どう思われますか?
  • このプロジェクトに関して、どんな点が怖いとか、気掛かりですか?

皆さんのご意見ご感想ご助言をぜひトークページに投稿してください

2022年9月30日更新

問題空間をよりよく理解し、答えるべき重要な問題を識別するため、フィードバックを受け付け、既存の文書類を精読し、インタビュー(取材)を重ねてきました。現在は当プロジェクトの範囲をより明確にするため、これまでに集めた情報を総合判断する作業に取り掛かっています。大量の情報に目を通しており、ある程度の時間を要することは自明として、今までに知らなかったことがとてもたくさんあります。