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ウィキメディア概報(2011年11月)

From Meta, a Wikimedia project coordination wiki
This page is a translated version of the page Wikimedia Highlights, November 2011 and the translation is 100% complete.

2011年11月のウィキメディア財団報告書及びウィキメディア技術報告の抄録ほかウィキメディア運動の重要行事について

ウィキメディア財団概報

ムンバイ(インド)ウィキ大会とハッキングマラソン(Hackathon)

ムンバイ・ハッキングマラソンの参加者

11月19日から11月20日にかけて催された2011年インド・ハッキングマラソンのために、ウィキメディアの職員とボランティアが、ムンバイで一堂に会しました。ハッキングマラソンでは、携帯情報端末の接続や、言語対応、オフラインの配布形態に焦点が合わせられました。ハッキングマラソンは、インドウィキメディア協会によって計画された、2011年インドウィキ大会と同時開催となりました。ウィキ大会の参加者は700人弱にのぼり、これまでに催されたウィキメディアの行事の中でも最大級のものとなり、インド国内のものとしては間違いなく過去最大の行事となりました。大会では50超のセッションが行われ、共同体の結成や、プロジェクトの品質改善、協力の確立、伝道(アウトリーチ)における最良の慣習、一般的な経験共有の機会について、洞察が提供されました。

編集初心者を助ける新しいツール

8月より英語版ウィキペディアで、実験的な機能「Moodbar」が編集初心者のために実装され、編集上の経験について140文字のコメントを入力することで、素早く簡単にフィードバックを送信できるようになりました。この機能によるすべてのコメントは、公共のフィードとして、フィードバック計器盤上に記録・保存されます。11月、経験豊かな編集者がこのフィードバックに返答する際、この計器盤から抜け出さずに容易に返答できるようにする、新しい機能を加えました。ウィキメディア財団の共同体組織役のSteven WallingとMaryana Pinchukが、この方式で新しい利用者を助ける経験豊かな編集者による返答班を立ち上げました。

我々はこのシステムを改善し、その影響を評価し続けています。特に、新しい利用者が自分宛のメッセージを読んだかどうか、そして、能動的なコーチングの結果として編集作業が増加するかどうかに注目しています。

寄付募集

年一回のウィキメディア寄付募集が11月16日に始まり、初日に100万ドル以上が寄付されました。月末までに1043万3402.89ドルが寄付され、寄付件数は合計54万5362件でした。より多くの地域で提供者が有意に増加しましたが、これは主として今年ウィキメディアが受け入れ可能とした通貨の種類が80超に増加したことによると考えられます。

ジミー・ウェールズからの年一回の個人的な嘆願のほかに、今年の寄付募集キャンペーンでは、共同体の構成員やウィキメディア財団の職員等による新しい声を起用しました。

700以上のログアウト利用者(読者?)を含め、前年比4倍のボランティアが、バナーや懇願の翻訳に貢献しています。 記事フィードバックツールが、翻訳の品質を誰でも評価できるようにします。

画像フィルターの議論。ハノーバーにて。

Sue Gardnerが欧州のウィキメディア協会を歴訪

ウィキモニュメント撮影大会(Wiki Loves Monuments)と国民遺産記念日の授賞式。2011年11月17日、連邦モニュメント局ウィーン事務所にて(ホーフブルク宮殿スイス棟)。

11月、ウィキメディア財団は、事務長Sue Gardner、助手James Owen、代表弁護士Geoff Brigham、共同体組織者Maryana Pinchukからなる代表団をヨーロッパに派遣し、3週間で7都市を訪問しました。この出張の主な目的は、特に寄付募集と資金分配に関して、協会の希望と懸念を聞くことを目指して、協会との時間を過ごすことでした。第二の目的はドイツの共同体と時間を共にすることであり、特に個人用画像フィルターの可能な実装についての進行中の論争に関する、相互の理解を改善することを目指しました。

また、この出張ではオフ会や協議、報道機関のインタビューのような、他の活動を多く伴いました。代表団はパリ、ユトレヒト、ロンドン、ウィーン、ハノーバー、ベルリンを訪問しました。5つの協会の理事会との会合・食事会や、4つの共同体とのオフ会、協会員・編集者による様々な他の小さい非公式の集会もありました。英国では協会の理事会員と共に国立公文書館を訪問し、ウィーンではウィキモニュメント撮影大会の優勝者に賞を手渡しました。Sue Gardnerは、英国協会の理事会とドイツ協会とロンドン帝国理工学院の3ヶ所で口頭発表を行い、ロンドンとベルリンでは6つの報道機関のインタビューを受けました。

ウィキメディア財団は、仏・蘭・英・墺・独各協会の理事会に対し、その歓待と開放性・虚心坦懐に感謝します。Christophe Henner, Rémi Mathis, Adrienne Alix, Ziko van Dijk, Jan-Bart de Vreede, Roger Bamkin, Andrew Turvey, Andy Mabbett, Jon Davies, Fiona Apps, Marek69, Kurt Kulac, Manuel Schneider, Barbara Neubauer, Jo Pugh, Pavel Richter, Sebastian Moleski, Julia Kloppenburg, Catrin Schonevilleには、特に感謝申し上げます。

データと傾向

10月の全世界純訪問者数:

4億7700万人 (9月比4.9%増、前年比16.7%増)
(ウィキメディア財団全事業のcomScoreの数値。comScoreは11月の数値を翌12月に発表する)

11月の閲覧要求回数:

168億回 (10月比0.1%減、前年比12.3%増)
(携帯情報端末による接続を含む、ウィキメディア財団全事業。サーバー記録)

2011年10月の活動中の登録編集者数(月間編集回数5回以上):

84,426人 (9月比1.4%増、前年比0.8%増)
(ウィキメディア・コモンズを除くウィキメディア財団全事業。データベース数値)

2011年10月の通知表: http://stats.wikimedia.org/reportcard/

通知表をより完全な計器板(ウィキメディア財団事業に関する様々な集計値や趨勢をまとめたもの)にするため、体裁の調整が続行中。

財務

(決算情報は、本報告の2011年10月時点。次の決算情報は全て、2011年7月1日~2011年10月31日期のもの)

収入:425万3486ドル

支出:

  • 技術費: 302万1534ドル
  • 共同体・寄付募集費: 106万6080ドル
  • 全世界展開費: 111万6890ドル
  • 統制費: 33万6150ドル
  • 財務・法務・人事・運営費: 198万9659ドル

支出計: 753万312ドル

総利益(括弧は損失): (327万6826ドル)

収入は、280万ドルの助成金と、予定の38万5254ドルを上回る寄付により、予算を上回りました。

支出は、750万ドルと、予算の910万ドルを下回りました。主要な出費や協会への助成金、雇用費用ほかの活動に関する支出において、予算に対して実際の支出が少なかったため。

現金は、1490万ドル。現在の損益水準にして6ヶ月分。

その他の活動概報

  • ウィキマニアの動画が入手可能:ハイファ(イスラエル)で8月に行なわれた2011年ウィキマニアの主催者は、大会のすべての録画動画がアップロードされた発表しました。動画には、大会予定表からもリンクしています。動画の視聴回数は、既に1万6000回を超えています。
  • フランスウィキメディア協会、風景の自由を求めてロビー運動11月23日、フランス議会は、他の多くの国々のものと類似した風景の自由の例外規定を導入する、フランスの知的財産法の改正を討論しました。これは例えば、公共の場所の中のフランスの建物や、永久に展示されている彫刻の写真を、ウィキメディアンがアップロードすることを可能にするでしょう。改正はフランスのウィキメディア協会によって支持されましたが、可決に必要な票数を達成できませんでした。
  • アルジャジーラ、画像を発表:ウィキメディア財団フェロー職員Liam Wyattとドイツウィキメディア協会のMathias Schindlerによる介入後、カタールに本拠地があるニュースチャンネル・アルジャジーラ英語版は、フリッカー・ストリームで配信している画像をクリエイティブ・コモンズ・表示・継承2.0版許諾の下で利用可能にすることを決定しました。コモンズへのアップロードが続けられています。その多くは、アラブの春の政治的な反乱を、文書化するものです。
  • 英国で初のウィキメディアハッキングマラソン:ブライトンでの2日間の行事で、他の新しい経験豊かなコーダーとウィキメディア財団開発者が一堂に会しました。1日目のメモ2日目のメモをご覧ください。