ウィキメディア財団 年次計画/2023-2024/財務

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概要:支出の削減

現状として全世界で金融不安が増大期にあること。世界経済の見通しの不安定さは(インフレその他の金融兆候に関するものを含めて)、当財団財務の将来的な見込みに不確実性を生じます。資金調達および支出を複数の通貨で実行する当財団にとって、為替変動は財務にも予測不能性を加えます。

予算増大の鈍化。当財団の予算は直近の5年で顕著に増大し、その一部は野心的な運動戦略の作成が促しました。予算の伸びは昨2022年からは横ばいでしたし、次会計年度(自2023年至2024年)の伸び率はさらに横ばいになり、インフレその他に起因する避けられない経費増加に容易には追いつけなくなりました。これが何を意味するかというと、当財団は特定の分野のコスト増加に対応するため、一部の分野で内部支出を削減して資金を回すほかなかったということで、資金を回した先には助成金プログラムも含み、昨年と同レベルに保ちました。現時点で入手した情報に基づくと、今後数年は事実上、予算枠はほぼ同額に維持できる見込みです。

年々のインフレ、生活費の調整その他の避けられない経費増加などは、ほとんどの支出費目に影響を与えます。つまり他の条件が何も変わらなくても、予算は増加します。現在の職員配置の水準を維持するには(職員総数に増加なしとして)、当財団の年間予算は年ごとに自然増6−7パーセントを見込む必要があります。ところが予算増の実勢は年3−5パーセントで終始し、その種の予算増に抑えるため、支出を積極的に削減する必要がありました。

支出の減少。現在の予算消化率と比較した2023年−2024年次予算では、予測に基づいて支出をおよそ800万ドル削減する必要があります。それを受けて当財団では非人件費と人件費の両面で削減した予算を立てています。第一に焦点を当てた点は助成金や運動支援の資金を維持すること、データセンターなど複数の中核の事業分野ではインフレ加速に備えた資金をあてることにしました。次に人件費以外で削減できる費目を特定し、専門サービスや弁護士費用、サブスクリプション料金(サービス受給固定費)などを検討しました。しかしながら人件費の検討が必要となったため、現在の雇用中の職種およそ5パーセントに影響がおよび、一部の空席や職種の定員割れという結果につながっています。財団の予備費から1パーセントは(喫緊の場合のみ)非経常的な支出に1回限定​​で支出できるよう理事会に諮り、承認を得ました。

ウィキメディア運動の資金は維持。ウィキメディア財団は私たちの運動に使う資金源の大部分を調達します。他の実体はこれら資金源が提供する助成金に依存し、当財団には先方の財政的持続可能性を考慮する義務があります。したがって他の分野の削減を優先し、当財団のあらゆる助成金の予算総額を減らさないようにしました。助成金の予算総額はすべての地域で平均7パーセント増額させ、世界的な経費のインフレに対応し運動の新規参加者を支え、ウィキメディア運動関連のカンファレンスやイベントへの助成金の増額を目指します。

​​下のグラフに示すように、当財団の支出部門で最大の項目は2件、人件費の次が助成金・運動支援経費であり、それぞれ予算の59パーセントと14パーセントを占めます。今年の予算に占める助成金・運動支援の割合は(ウィキデータのサポートを含めて)昨年に比べてわずかに増えました。

製品と収入という「ダンスのパートナー」

複数年にわたる戦略計画の一環として、ウィキメディアの財務モデルの利害関係者全員で、私たちが行うあらゆる選択に固有のトレードオフを含め、集合的な理解を深めていく必要があります。現在の収入の流れは、製品、コミュニティ双方の決定に密接に関連します(例:バナーの扱い方、収益事業であるエンタープライズ・モデルの検討方法、寄付資金調達への現実的なアプローチ)。

数年前からコンテンツ消費のオンライン行動をバナー募金にばかり依存しても、私たちの運動の将来を保証する収入戦略にはならないと示唆されています。運動戦略ワーキング・グループは収入源について、バナーによる資金調達が2030年まで主要な収入源であり続けるとは実証されない可能性を認識しており、視聴者行動の変化に適応させ収入の流れの多様化を奨励しています。

その観点において製品と収入はいわば「ダンスのパートナー」同士です。これら決定は相手のつま先を踏む、背を向け合って反対方向に進む、あるいは相手との正面衝突などを避けるため、調整と意図的な実施が求められます。特定の種類の収入を優先するか別種の収入を制限するなどの決定は、それぞれの決定が読者の行動と矛盾する場合、特に実際の収入に結びつきます。つまり大規模な商用者から得る収入を制限すると、人々はその再利用を介してウィキメディアのコンテンツにアクセスするため、収入の機会費用に直結します。逆にコミュニティがバナー募金の内容や書式を制限すると、これまで歴史的に最も安定した収入源だったはずの資金調達は機会費用になりかねません。

これらの質問に簡単に答えることはできません。「収入戦略(中略)その他はより大きな決定と密接に絡み合っていて私たちは組織として運動として決めなければならない」し、今後もこれらトピックは財団理事会、基金理事会、(設置予定のグローバル評議会など)コミュニティのリーダー​​構造との話し合いを続ける必要があります。

製品 私たちの ウェブサイトのページビューを増やさなくては…… もっと焦点をしぼったイニシアチブとプログラムがほしい…… 大量に再利用する場合の課金は増額が必要のはず……
……(用途無制限の)オンライン/バナー募金をもっと集める…… ……大口寄付をもっと受ける…… ……非営利活動を超えた持続可能な収益の道を築く……
収入
トレードオフ ……しかし検索やその他のインターネットのトレンドはこの方向に向かっていない。 ……しかし柔軟性に欠ける資金調達という基本のせいで、リスクは多いと考えられる。 ……しかし問題点は私たちの使命が一部の人々にどう理解されているかという点。

短期収入:デジタルな資金調達

当財団の収入はこの10年に5倍に伸びましたが、成長要因の収束により限界に達しています。

トレンドその1:寄付収入モデルは、当社の Web サイトにアクセスする大勢の読者に依存。私たちのバナー募金モデルの成功は、ウィキペディア読者数の大きさに支えられています。初期の資金調達の​​伸びは読者増加が下支えしました。

トレンドその2:インターネットの流行は変化し続け、読者数は減少傾向。利用者の期待とオンライン検索の変化につれて、視聴者支援モデルはページ・ビュー件数の減少がもたらすリスクにさらされています。アメリカの場合、ユニーク・ユーザー数は2019年1-12月期、2021年1-12月期に月間平均7パーセント減少しました。

さらに主要な収入国の若い視聴者層ではブランド健全性の弱さが長期的な資金調達の課題です。一般的に18−24歳の利用者は特定のブランドの検討や使用、友人に勧めたりする可能性が下がります。これはすべての市場に当てはまり、アメリカ、ドイツ、南アフリカでは若者のほとんどはブランド全般をお勧めしておらず、特に問題が顕著です。

トレンドその3:バナー・キャンペーンは大幅に最適化、収入性はより顕著になった。バナー・キャンペーンが始まったときは収入を上げる簡単な方法がいくつかあり、また目標額は年間2、3百万アメリカドルでした。これらのキャンペーンは時間の経過とともに大幅に最適化されました。インターネットのトレンドが従来のバナー形式に沿わないなら、対応にはさまざまなアプローチが必要です。

上記に加え、収入の最大化と読者やボランティアへの影響のバランスを取る方法にも問題があります。寄付者の75パーセント以上は、募金のバナーを見た1回目または2回目に実際に寄付します(下の図を参照)。読者に表示するバナーが増えるほど収入は減少し、読者とボランティアを混乱させます。2022年の英語版ウィキペディアにおけるバナー・キャンペーンでは訴求力の低い文言を使用したせいでキャンペーン期間が長引き、バナーの効果を表す指標(インプレッション)を補強したり過去の寄付者への電子メール発信回数を増やさなければなりませんでした。その結果、前年2021年のキャンペーンと比較した収入減は10百万アメリカドルにのぼりました。

より長期のキャンペーン主催には制限が課されます。

寄付者の 75% 超は、募金バナーを初めてまたは2回目に目にした時に実際に寄付をした。

読者の応答率はバナーの露出件数の増加に反比例し、読者にとってもボランティアにとっても目ざわりになる。

トレンドその4:資金調達効率の低下を予想。当財団の資金調達比率は歴史的に低止まりで調達コストはアメリカドルで 1 対 $0.10 で安定し、バナーの収入効率性の高さが支えでした。バナー募金は制約が増え収入減少に直面しているため、コストが上がっても電子メールや大口寄付など他の収入経路の割合を検討して増やす必要があります。これは資金調達率を上げ、アメリカドル資金調達比率はおそらく 1 対 $0.12 に収まる見込みです(業界標準 $0.20 よりもはるかに低い)。

トレンドその5:大口寄付を増やすには、組織の幅広い関与が必要。大口寄付を増やすには主要な指標や説明責任を明確に示し、さらには私たちの活動がどんな影響を及ぼすかストーリーテリングを固める非営利活動(フィランソロピー)の文化構築が求められます。大口寄付の成長には用途指定付きの寄付受託が欠かせず、それにはトレードオフを伴います。

寄付者への説明責任と社会貢献活動の文化。私たちは寄付金と成果の因果関係とその影響をもっと適切に示し、私たちの仕事が実際にウィキメディアのプロジェクト群に「目立った変化をもたらす」と証明しなければならないのであって、寄付者には私たちの影響力が真正であるかどうか確証のない部分を「信じてみる」ことで補っていただいている現状があり、これに取って代わるものを築かなければなりません。 また複数年計画の一環として指定寄付をより適切に開発し、多額の寄付をより有意義に用途変更をできるようにするとともに、コミットメント尊重の内部規律と説明責任の手順を開発しなければなりません。社会貢献活動の文化発展には寄付者には私たちのストーリーをより的確に伝え、一般社会用に資料を整えて、プロジェクトやコミュニティがどのように機能するか基本の説明が伝わりやすくなるようにすることと、マルチメディアでキャンペーンを展開しなければなりません。

肯定的な傾向と機会はいくらか残るが、いずれも展開に時間がかかりバナー募金の伸び率減少を相殺できない。月次の定額寄付を申し込む寄付者は増えており、電子メール募金の収入は増加を続けています。特定の寄付者が終生にわたって寄付してくださる総額を増やすには、寄付者の継続期間(ライフサイクル)の強化に取り組むことができます。あるいは新規に資金調達先の国に門戸を開くという新経路の模索にも可能性はあるものの、主要市場の減少を相殺できるものではありません。締めくくりとして大口寄付の伸長には、指定寄付(用途指定型の寄付金)受託という組織をあげたコミットメントが不可欠です。

複数年収入の流れ:財団寄付基金と収益事業

ウィキメディア財団寄付基金

Main article: Wikimedia Endowment

恒久的な寄付基金を設けてウィキメディア・プロジェクト群の運用と活動を永続的に支える収入を生み出す。Wikimedia Endowment ウィキメディア財団寄付基金(基金向け寄付口)とは、ウィキメディア財団の活動予算とは別のものです。寄付基金とその元本額(いわゆる「原資」)は永久にそのまま維持することを意図し、基金の一部は毎年、支出するものとします。当財団寄付基金こそ私たちの運動の経済的持続可能性を高める方法の 1 つです。

当財団寄付基金は2016年1月に創設、ウィキメディアのプロジェクト群の支援を趣旨とし、当初は調達目標を2026年時点で$100百万アメリカドル(1億)としました。この目標額は2021年6月に達成、そのうち$30百万アメリカドル(3千万)は直接、当財団から寄せられました。

当財団寄付基金が生む果実(収入)。当財団寄付基金(以下、寄付基金)は2023年、当財団との費用分担契約を確立し、これを受けて現在、寄付基金に起因する経費は、寄付基金から当財団に補償しています。2022−2023年次には、寄付基金から当財団への支払い金額はおよそ$1.8百万アメリカドルに相当し(180万)、寄付基金関連の事務に取り組む財団職員の人件費がその大部分を占めます。2023年−2024年次にも同様の金額になると予想しています。

さらに2023年1月には寄付基金理事会は助成金第1号を承認、ウィキメディアのプロジェクト群の技術革新に資金を提供すると決定し、急速に変化する技術環境の中でこれらプロジェクト群が関連性を維持できるようにするためとしました。このプロジェクトの一覧は寄付基金の最高製品技術責任者の協力を得て、当財団募金委員会とコミュニティ委員会が作成したものです。2022−2023会計年度の資金提供は総額$3.2 百万ドル(320万)で、次のプロジェクトに充当しました。Kiwix、機械学習、抽象ウィキペディアおよびウィキデータ。(※=Endowment's Grantmaking and Community Committee。Foundation's Chief Product and Technology Officer。)

予定寄付の制度。計画的寄付または遺贈は、その時点で任意の金額の合意を交わし、将来の日付で受理する寄付金です(※=a planned gift / a legacy gift)。多くの場合、これら寄付金は遺言により実行されます。あるいは手続きを生命保険契約、退職金口座、銀行または証券会社の口座を通じる方法もあります。同じ寄付者から生涯に受理する寄付総額と比べた場合、寄付者の資金は遺贈(レガシーギフト)を介し受益者である当財団に平均183倍多く贈与されます。計画的寄付は他のどの募金活動よりも収入率が高い長期的な投資です。新たな収入源として計画的寄付を追加すると、コミットメントのパイプラインを構築し、今後の数年で段階的に果実を生むと見込まれます。計画的寄付は2050年をめどに、当財団寄付基金の主要な資金源になるかもしれません。

ウィキメディア・エンタプライズ

Main article: Wikimedia Enterprise

ウィキメディアのコンテンツへのアクセス方法に適応する方法。過去数年の間に、読者の月間ページビュー数が減少(2022年は2021年初来8パーセント減少)、読者数や貢献度や収入について私たちが備えてきた従来のモデルにとっては課題となります。当財団の指標チームはこれに寄与する1つの要因として、第三者(サードパーティ)によるコンテンツ再利用を考えています(ウィキメディアのデータを埋め込んであり、私たちのサイトへのアクセスを不要にするから)。

サードパーティの環境で私たちのコンテンツがどのように再利用されるか制御していないため、私たちは読者とのコミュニケーションの能力を抑制しています。現在、ウィキメディアのコンテンツに出会う場所がサードパーティというユーザーは、プロジェクトへの参加や編集作業であれ寄付であれ、一般にウィキメディアと何らかの関係を築く機会はなく、前者は知識創造のコア・モデルにとって危機を増します。

ウィキメディア・エンタプライズ(収入事業)の趣旨はこのニューノーマルへの対処。私たちの運動のより多くのコンテンツが一貫して機械可読形式で利用できるようにして、研究者や再利用者による自由な利用を保ちながら、これらの形式でウィキメディアのコンテンツにアクセスした営利組織に課金します。これは運動戦略の「フリーな知識における発明」という勧告と一致しています。そこには「フリーな知識コンテンツをさまざまな形式でアクセスできるように必要な技術を構築する(後略)」ことと「私たちのプロジェクトを技術的に適合させ、より多様な形式の知識を含めるには、ウィキメディア以外のプラットフォームにおけるコンテンツの再利用を促進する必要」が示されています。

ウィキメディア・エンタプライズは最大のコンテンツ再利用者すなわち主要な検索エンジンなどに対して、規模や規則性が異なり、恒常的ではない利他的な寄付に代わって、ウィキメディアのコンテンツから得た利益の一部を運動に再投資する明確で一貫した方法を提供します。ウィキメディア・エンタプライズは、読者との直接的なコミュニケーション を頼りにした(募金バナーなど)従来の経路で失われた収入を補うために、大量再利用者を対象とする収入事業を段階的に成長させようと目指しています。それは「パートナー関係と稼得収入を介することで収入創出とフリーな知識の普及すなわち両面の新しい機会を得る」ことであり、 私たちの運動の持続可能性を高めるという運動戦略勧告を直接的に実行します。

2021年3月に開始したウィキメディア・エンタプライズでは、ウィキメディアのコンテンツの大量再利用者に API プラットフォームを提供し、データアクセスや専門サービス、商用保証を販売してきました。現在は検索エンジンと音声アシスタント市場に焦点を当てていますが、新しい市場機会も積極的に模索しています。エンタプライズの年間経常収入は2023年1月時点で$3.2百万アメリカドル(320万)を計上しました。

予算の詳細

予算額

ウィキメディア財団の予算増額は前年度と比べて横ばいになり、5パーセント増の$177百万アメリカドルです(1億7700万)。経費の増額分には、データ・センターなどの分野への投資を維持しウィキメディアのプロジェクト群を利用可能にしておくこと、助成金や運動資金の増分を含みます。前述の対前年度の経費率に対し予算増加率を抑えわずかでも減少させるには、物的経費および人件費のコスト削減を行わなければなりませんでした。理事会は、喫緊の場合(特に人員削減増を避けるため)組織の財務準備金の約1パーセントを上限とし、1回限りの経常外費用として利用できるようにする案に同意しました。

*注:2019年−2020年予算年度には予算不足対策を利用して将来の助成金を前払いし、不確実な時期に助成金プログラムの資金を確実に提供できました。ここで2019年−2020年予算年度分として示した金額は、その対策を反映させ減額済みです。

収入の伸びも、今期の収入予測と比較してほぼ横ばいになると予想されます。上記の傾向から、当財団最大のデジタル・チャンネルから得る収入の伸びは、ほぼ限界に達しています。具体的には、当財団来年度の資金調達に占めるバナー募金の収入は割合を減少、他の収入チャンネルを増やして予算に資金を供給する必要があります。

収入 2022-23年度決算見込み 2023-24年度予算 増減
当財団寄付基金 (予想額*) $5 M $5 M 0%
エンタプライズ $3 M $4 M 33%
大口寄付 $18.5 M $19 M 3%
オンライン・Eメール $36.5 M $38 M 4%
オンライン・複数回 $30.5 M $33 M 8%
バナー募金その他 $77.5 M $74.5 M −4%
投資 $3 M $3.5 M 17%
合計 $174 M $177 M 2%

* ここで言う当財団寄付基金の収入とは、ウィキメディア寄付基金からウィキメディア財団に対する助成金と費用の払い戻しに相当。しかしながら同収入は見込み額であり、2023年7月以降、当財団寄付基金理事会の承認の対象。(※=$:アメリカドル。M:百万。)

予算配分

2023−2024年予算では、当財団の予算資金のうち使命への直接的な取り組みを「プログラム費用」と呼んでおり、割合を最近の平均73 - 76パーセントに対して総予算の78パーセントに増額した点には、分野の中でも運動の提携先に向けた助成金と補助金への割り当ての増加を反映しています。

支出の種別と予算
プログラム費用 $137.8 M
募金活動 $17.9 M
一般および管理 $21.3 M
合計 $177 M

知識というサービスの構築は2023−2024年次予算の大部分に反映されています。私たちのプログラム活動で公平性の予算は2番目に大きな部分を占め、その目標を目指す予算内訳では助成金と運動支援が大部分です。

目標別の予算
インフラ $86.1 M
公平性 $31.2 M
安全と包摂性 $20.5 M
効率化 $39.2 M
合計 $177 M

助成金と運動支援

当財団の運動への直接的な支援は、運動戦略に従って拡大し続けています。今年はそのプロジェクトの既存の計画に沿ってウィキデータへの資金提供を含め、運動支援全体を15パーセント増、助成金は今年と比べて7パーセント増やします。

コミュニティ基金助成金プログラムは、一般助成金(指定なし助成金および複数年助成金)および迅速助成金プログラムの地域予算を含んでおり10パーセント増やします。より公平なリソース配分を構築するという私たちのコミットメントに基づき予算増額はすべての地域で実施しつつ、過小評価されてきた地域を優先し伸び率は比例してより大きくなります。地域およびテーマ別会議の予算は7パーセント増、研究助成金と協定基金の予算は減ります。

2023−2024年度には、助成金提携先と 2022−2023年に築いた実績に基づき、助成事業の手順は総体的な目標に沿うように要素を改めて、申請者側の手間をより少なくすること、当財団と提携団体とのパートナー関係を醸成すること、さらに相互学習への取り組みを深めます。一般支援基金について以下の変更点を提案します。

  • 一般支援基金の申請者全員を対象に、複数年支給の要件を拡大して長期間の経費を支え(つまり人件費やレンタル代)、複数年の戦略計画を問わない。
  • 助成金の更新手続きをより簡素にして、重要な変更点や学んだことに焦点を当て、かつまた過去の助成金対象事業の情報の流用を認める。
  • 中間期報告文書の提出義務を除去。
  • 助成金契約書を改訂してより簡素化(全ページ数を12から7に縮小)。

一般支援基金は2021年の再始動以降、助成金額に制限は設けてありません。

予算の内訳

当然ながら当財団の予算の最大の分野は人件費であり、正規職員と派遣請負業者の経費の約60パーセントを占めます。私たちの予算の経費増加分は、給与や福利厚生およびその他の人件費に関連する生活関連その他の経費を反映しています。それに続いて助成金や運動支援が占め、上記のとおり今期はこの成長を優先します。

旅費とイベント経費は増加し、2023年8月開催のウィキマニアが対面式中心のイベントに戻るため、今年はそれが予算のかなりの部分を占めています。

予算は増額を小さくし、運営維持の中核となる資本減価償却やインターネットのホスティングや寄付金処理など、多くのカテゴリの典型的な前年比経費を反映しました。他のほとんどの支出分野ではコスト削減および管理に取り組んでいます。