ウィキメディア財団年次計画/2023-2024/製品と技術/目的と主な成果(OKRs)

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当文書はウィキメディア財団製品技術部門の2023年-2024年次予算の手順のうち「パート2」に当たります。同年次計画草稿の「目的と主な成果」OKRを示すことを趣旨とします。Wikimedia Foundation Annual Plan/2023-2024/Product & Technology「パート1」では草稿の起草作業のポートフォリオ(通常は「バケット」と呼ぶもの)に加え、当文書の背景にある哲学と計画を述べました。("※":OKR=objectives and key results。)

このページは決定稿ではありますが、2023年-2024予算年度を通して学びを進めながら、主な成果(Key Results)とその背景にある哲学と仮説を繰り返し更新していく方式で進めます。

バケット1:​​ウィキ体験

趣旨バージョン2(バージョン1はこちら) 主な成果 説明

WE1: 投稿者の経験

世界で最も多様な言語で記され信頼できて理解しやすい無料の知識のエコシステムにおいて、質が高く読者に関連したコンテンツの成長を補佐し、そのために質が高く手に入れやすい経験ができるように整えて支えます。

背景:一つの対象に集中する場合、別のことは諦める必要があります。私たちはコンテンツとコンテンツの継承者やモバイル投稿のサポートも、オンライン・キャンペーンも、IPブロック削減にも光を当てようと希望しています。これらに注力するからには、対面型のイベントや、新人編集者の生産性の補佐は優先度を下げる必要があります。(と言ってもIPブロックの主眼(KR)は対象内)。

協議する

1. ウィキペディアのメインの記事名前空間において、代表的なウィキ群で巻き戻しを受けないモバイル投稿を10%増やすこと。 このKRはモバイル版でコンテンツ編集を広く奨励する助けになり、他のKR類の活動(例:仲裁やコンテンツの言及範囲)や、モバイル版の投稿を重視した活動と併用していきます。これまでの3年でモバイル・ウェブ版のコンテンツ投稿はおよそ20%増えました。もし1年間でさらに10%を上積みできたら、自然増を超えた充実になるはずです。

このKRの対象にはウェブ版とアプリの両方が含まれます。これは「代表的なウィキの組み合わせ全体で平均化」し、価値のある改善を最大規模のウィキに限定せず複数のウィキで確実に実施します。採用するウィキは、後に選びます。

2. 拡張権限を持つ編集者(管理者、巡回者、役務者、あらゆる種類の仲裁者)の体験を向上させるワークフロー4件を完全に改善、対象者の創造性を拡張、個別のウィキ4件超に影響を波及、ボランティアと協働してそれぞれの改善一式とKRを適合させます。 現状では具体的な目標は見えておらず、実際問題として、当チームは例えば積み残し案件の減少など、上記の仲裁を担当する編集者の皆さんから期待されているのか不明です。究極の話として、当チームのリソースはその人たちの満足度向上や、作業工程を組んだり管理しやすくするために充当するべきで -- 「創造性を拡張する」とはそういうことだと考えます。コミュニティのそういう参加者は素晴らしい功績をあげて来られたし、当チームがいちばん補佐できることがあるとすると、創造性を発揮できるプラットフォームやエンドポイントやテンプレートやその他ツールの整備でしょう。「4つの作業工程」という数字も、このKRに取り組んでくれるチームを想定してあります。また「4つの個別のウィキ」という数字は、どれくらいのプロジェクトに当チームの波及効果を及ぼすことができるか、一般化しやすくする目安です。このKRはその点、影響を受けたボランティアの皆さんと協働し、改善目標ごとにKRを具体的に設定して、どうなったら十分な波及効果を発揮したと見切るか共通認識を得ます。留意点として、仲裁を担当する編集者の皆さんがこなす作業以外の ものも作業工程に含まれており、それらもまた当該の皆さんの経験の向上に役立つと考えられます。例えば特定の作業が有効に反映され、編集初学者の初の投稿記事が骨太になったなら、新規記事の巡回をする人たちの手間の削減に結びつくという考え方です。
3. 記事内の波及効果が高く容認できる品質の部分を10パーセントポイント増(前年比)とし、対象は中規模ウィキペディアで作成もしくは編集した記事、基準は「グローバル品質スコア」に照らします。波及効果が高いかどうかは部門間の協働で選び、当面はジェンダーと地理を選定条件とします。 この指標の主眼は波及効果の高い主題について、ウィキペディアに良質なコンテンツを増やすことにあります。具体的には、(当初の対象は充分に声の届かない地理的な地域やジェンダーとすることで)当該の主題に関する良質な記事の目標値を1%増とし、前年をその基本線とします。例をあげるなら、2022/2023予算年次に新規立項もしくは改版があった全ての記事を母数とし、充分に声の届かないという地理的な地域を絞り込み条件として、さらに受容できる品質スコアを満たしたものは、28%でした。

これを使い、2023/2024予算年次には地理的な地域ならびに受容できる品質スコアを絞り込み条件として、声の届きにくい地理的な地域を主題とする記事は29%に達する必要があります。(前回の記述では)前年比の増加を10パーセントと書きましたが、これを1パーセントに訂正した点にご注意ください。その根拠とは、ウィキメディア財団のデータ分析専門職より達成しやすい数値目標として指摘があったこと、その土台に、ここ最近の傾向として波及効果が高い主題が拡張されているという考察があります(ここではウィキペディアの声の届きにくい地域のコンテンツ動向に注目)。

この指標は戦略を定めるものですが、進捗状況を掴もうとする各チームは柔軟性を保ちます。この目標値を達成しようとする取り組み(イニシアティブ)は、その焦点として選択した主題に関する既存の記事の改善、あるいはその主題を取り上げた新規立項の奨励もできます。チームごとに波及効果を評価するには、前年同期と、当年四半期単位もしくは1年間を通じた成果を比較してください。品質や主題との関連性などの要素は常に計測が難しいものです。評価システム「グローバル品質スコア」(global quality score)を適用すると、記事の見出しや典拠、リンクの件数など複数の変数に基づいて、記事の品質を計測します。同様に記事の主題の認識に関しては知識格差分析を担当するチームと連携し、先方のデータセットを援用すること、最初の対象は、充分に声の届かない地理的な地域とジェンダーにする予定です。

この取り組みは財団全体のコンテンツ指標と一致しており、その対象は量と質の両方である—つまり私たちが記事を新しく作成しても、既存の記事の改善をしても影響を与えることを意味します。「影響力の高い主題」が該当するのは運動戦略勧告の第8番目です。「影響力のある主題を特定」という概念です。 主題分野としてのジェンダーと地理は、どちらも内容に見過ごせない格差あるとして私たちの運動が強調しており、また私たちの研究チームはどちらに関しても測定能力を備えています。

4. IPブロックで異議申し立てを受ける案件はX%増の見込みで、異議申し立てからブロック解除に至る割合は不変もしくは減少を予測。 私たちのウィキメディア運動ではサイトの悪用者を阻止する主なツールはIPブロックですが、これには残念な効果があり、誠実に行動する多くの利用者をもブロックしてしまいます。これは特に編集初学者やコミュニティのプログラムに悪影響を及ぼします。誤ってブロックされた利用者の人数を正確に測定する方法はないものの、ブロック適用除外を申請する人数(異議申し立て)から概数は把握できます。ただし、実施しようとする利用者にとって、異議申し立てプロセスを見つけるのも完了も難しいという障壁があります。そこで当KRに従い、IPブロックの状況を改善するガイドを2面で試みます。第一に、異議申し立てのプロセスを利用者向きに明確にして、ブロックされた人々がもっと多く異議申し立てできるように企図することが必要です。それと同時に異議申し立てのうちブロック解除された割合に注目し、そもそも誤ったブロックの発生率を減らすことも求められます。換言するなら、ブロックする利用者を適正に選別すると、ブロックが解除される利用者はほとんどいなくなるのです。当KRのおかげでコミュニティと技術的に深い議論が促され、IP アドレスの性質とその活用法、さらにこれらのプロセスを管理する役務者の負担とワークフローにも目配りできるる可能性はあります。コミュニティ参加者と協働するうちに、IPブロック問題の進捗状況をもっときちんと測定する方法に気づいたり、焦点を当てる指標を再び広げることになるかもしれません。 [更新情報をご参照ください]
5. ウィキメディアの全サイトで新しい形式の知識を作成できるように、関数ウィキ(Wikifunctions)のウィキメディア・コミュニティを新しく設けて関数のオープン・ライブラリを築くこと。 この主な成果(KR)は関数ウィキ(Wikifunctions)を作成するという財団の戦略的な賭けであり、コミュニティ用のプラットフォームとして関数のライブラリを構築し、使用して維持することと捉えています。関数ウィキが技術基盤を形成すると、抽象ウィキペディア(Abstract Wikipedia)と呼ばれ、言語に依存しない方法でウィキペディアの記事作成と保守を可能にするプロジェクトに結びつきます。抽象ウィキペディアは究極の目的として、すべての人が言語や背景に関係なく、知識にもっとアクセスし利用できるようにします。

WE2: 閲覧とメディア体験

私たちのプロジェクト群に、今の時代に適していて身近で可読性が高く利用しやすいメディア体験をもたらします。

文脈:重点は独自デバイス数の増加、内部の発見、編集をしない利用に置くつもりです。その実現のために画像や音声メディアの利用など内部要素のアクセスのしやすさは優先順位を下げました。以下の KR類にも、その焦点を反映してあります。

協議する

1. 利用者の個別のニーズや制限を基準にして、ページ閲覧の15%に提供する体験を既定値と見なし、全ての利用者が優れた読書体験をするように企画すること。 このKRの重点は、インターフェースを必要に応じて個々のニーズに適応できるように設定することに置きます。ここでは、人々は自身のニーズに基づいて適応するウェブサイトやインターフェイスを利用したとき、自分はその特定のウェブサイトと積極的に関与したと感じるという理論を適用します。ここでは、ダークモード、字詰めやページ内の行間、文字サイズのカスタム化などの操作を対象に含めることができます。これら適応の一部はインターフェイスが自動的に実行できるもので - たとえば機能やツールに応答性が高い版を作成する、あるいは利用者が使うブラウザやデバイスの設定に基づいてダーク モードを確実にオンにするなどです。この適応は他の場合は意図的なカスタム化を介して実行でき - 利用者は特定の(ただし限定された)場合に既定以外の状態を選べます。アクセスのしやすさ(使いやすさ)の観点の一つとして好みがそれぞれ異なる利用者にカスタム化の機会を残しつつ、スタンドアロンとして構築する必要がある機能として、よりアクセスしやすくするもの、または既定よりもさらにアクセスしやすさに配慮するものに焦点を当てます。数値目標を具体的に「15%」に設定するには、iOS版ウィキペディア・アプリの利用者が既定の体験をどのように適応させるか調べました。アプリ利用者の59%は、既定以外のテーマ(ダーク、ブラックまたはセピア)を使用しています。この数字をベースラインに採用した私たちですが、仮説を立て、ウェブ上でウィキペディアをごくたまにしか使わない人たちと比べると、常習的に利用する人たちはきっと読書体験の適応にじっくり時間をかける可能性が高いだろうと考えたのです。
2. 興味を持った読者がもっと多くのコンテンツを発見したり流し読みすることを目指し、代表的なウィキ類では内部参照ページの相互作用を10%増にすること。 このKRの重点は、関心を持った読者がさまざまなコンテンツ発見方法あるいはエントリ・ポイントを検討し、コンテンツを見つけやすくすることに置きます。その目標は読者が学びをもっと広げたいと感じた瞬間、つまりコンテンツ探しの旅の特定の瞬間または特定の行動を示した後に、これらの選択肢を提供することにあります。この文脈において「ページとの対話」(Page interactions)とは利用者個人が単にページを眺めるのではなく(ページのプレビューなど)コンテンツ利用のあらゆる方法を包括します。「内部で参照」(Internally referred)とは、利用者個人が私たちのプロパティで一連の操作を始めてから、ページとの対話を係数することを意味します(つまり利用者が最初にサイトにアクセスしたとき、通常は検索エンジンを介してサイトに着いたときを除外)。
3. ウィキペディアにもっと関与を深めるように、編集以外の関与をする読者を個別機器単位で0.05%、編集者に変えること。 このKRは読者の関与を深めることに焦点を当て、同時に読者がページ編集以外でプロジェクトに貢献できる方法も模索します。ウィキに参加してみたいけれど、いきなり編集作業をするのでは飛躍しすぎだと感じる人、その内容の規模の大小とは無関係だと感じる人がいたと仮定します。 そうした人々にも一歩踏み込んで関わってもらいたい、何か方法を用意し、それを契機にさらに熱心に読んだり、最終的には編集の技能を十分に備えるように目指しています。「編集外の参加」とは、編集でなくても利用者が Wiki で実行できるアクション類を指します(※=Non-editing participation、議論ページへの投稿も「編集」として数えます。)ウィキメディアのウェブ版には未導入ですが、アプリ版機能には読書一覧やSNSへの共有ができます。この作業の重点は、利用者が自分で設定してそれぞれウィキを読む体験を楽しむことでも良いし、あるいはまた機能を特化して、ウィキ間でコンテンツを共有する、コンテンツをキュレーションしたり他の人にお勧めするためでも良いかもしれません。このKRはウェブサイトとアプリの両方、さらにモバイル版とデスクトップ版それぞれの作業を対象にできます。アプリ限定で編集外の参加機能はすでにあるので、これをデスクトップに採用することを考えても良いでしょう。アプリの場合は、既存の機能の改善や新しいアイデアの構築を対象にできます。一意のデバイス総数に対して編集をした人は、およそ0.05% という割合で -- つまり、この機能セットの初年には、編集をしない参加者はおそらく同様の割合であろうし、最終的には編集者数を上回るとも仮定できます。 [更新情報をご参照ください]
4. 南アメリカの利用者を対象にサイトの性能効率を向上するため、まずブラジルにいる利用者が経験する待ち時間p50を100ミリ秒(ms)縮めること KRの焦点はウェブサイトのサービスが十分に提供されない地域でウェブサイトのパフォーマンス向上に置いています。調査によるとウェブサイトの応答時間が大幅に短縮し顕著であれば、利用者の関与は向上します。当KRの一環として、例えば当該の地域にキャッシュ・サイトを追加導入するなどの方策により南アメリカにおけるウェブサイトの応答時間を改善します。ブラジルでは当会計年度末までに最初の大きな影響が測定可能になると予測しますが、地域全体の業績に顕著な向上が現れるのは、そのすぐ後になると予想されます。

WE3: 知識のプラットフォーム

MediaWikiの開発プロセスを改善し、ソフトウェア開発者同士の協働と効率を高めること

協議する

1. 開発者ワークフローの断片化を減らすため、公式のサポート対象で実際に運用中の開発者ツールのどれか最低1件で、積極的な使用率75%を達成すること。 この重要な成果は、ウィキメディア開発者の大多数のニーズを満たす標準開発ツール提供を目標としています。また開発・テスト・展開のそれぞれの段階で、本番環境同様の環境をもっと広範囲の構成要素について複製することも目指します。これを実現し、開発者体験の向上が実現します。エンジニアはその体験をするとオンボーディングが速まり、問題に遭遇したときの相互に支え合い、新機能を本番環境に導入する時にもっと自信を持てるようになります。この作業の目的は、初年度に対応する範囲を開発者の全ワークフローとせずに、開発者の生産性に最も影響を与える領域に決めています。
2. 特定のMediaWikiリポジトリで製品に展開したパッチにおいて、最低5件コミットした著者の人数を20%増にすること。 MediaWiki のコードベースに貢献する力があって前向きな人の数を増やすと、MediaWiki コアの変更が必要になったとき、チーム単位でブロックされる可能性を下げることになります。また回避策の作成は可能性が下がり、技術的負債の追加を防げます。この指標はこれらに加えて、コードベースに予期せぬ影響を与えずに、前より簡単かつ安全に貢献できるようになったことを示しています。
3. 技術面の戦略方向性/方針/手順に示した最大の4点を解決し文書に記録する(strategic direction/policy/process.) 製品技術部門の幹部は戦略方向性に照らし、技術作業の波及効果拡大が求められる主な分野を識別しました。その例としてメディアウィキがウィキメディアの外部に対してどのような支援を施すかアプローチの定義、オープンソースのソフトウェアに関する方針作成が含まれます。これらの課題における戦略的方向性を定義するなら、ウィキメディアの技術方面で効率をあげ結束力を高めることを意味します。

趣旨バージョン2(バージョン1はこちら) 主な成果 説明

SDS1:基本的な指標の定義

私たちがまとめた重要な指標データセットに該当する指標と各次元は、ウィキメディア財団のどの部門でも共有し、科学的もしくは経験に沿った対応と標準化、製品化に適用します。

文脈:財団が指標を効果的に使い、戦略的な意思決定をするには作業の影響測定と評価が欠かせないですし、そのためには信頼性が高く納得して使える共通の指標一式を使う必要があります。異なるプロジェクトに取り組む異なるチームは必ず同じ定義で同じ指標をきちんと使う約束を守ると、その作業の影響は必ず理解されるという保証ができ、財団全体にも提携団体にも、コミュニティの皆さんとも取り組みを連携できます。これらの指標により、コミュニティの皆さんと財団職員はプログラムや製品機能の提案を評価し、結果の監視および評価ができます。 また作業範囲をより正確に定義できる点は、データの準備と分析に用いるツールをサポートするエンジニアにとって、提供するサービスの水準を上げるには有効であり、現在のリソースを活用できるから、この取り組みは実行しやすくなります。利用者がアクセスできなければ、データは役に立ちません。すべての観衆が指標に最大限にアクセスできるようにして、指標の有用性を最大にする必要があります。私たちは適切な使用を導き誤用を防ぐために、必要な情報を収集し整理して、活用できるようにします。

協議する

1. コア指標の領域4件のうち3件は、指標の必須基準の遵守を文書で裏打ちした指標を最低1件、伴うものとします。 この作業では重要な指標の基準を特定して明確にし、コアの指標がどの程度、基準を満たしているか文書化する必要があります。

この作業を行う私たちは格差ときっかけを特定して、重要な指標を継続的に改善していきます。

私たちは最初に要件の仮定を立て、重要な指標は科学または経験で裏打ちされており、定義や計算、データの出所やバージョン管理が明確で、データ・スチュワードがきちんと存在すると考えました。 一連の基準はこれらの指標の運用を始めると、指標の選択と定義のガイドとしてさらに役立つよう、改訂して特定する可能性があります。

4. 年次計画のイニシアチブ5件ではコア指標に取り組み、進捗状況を測定して伝達したり、リソースの方向性を通知する問い合わせ先と位置付ける。 幹部と職員はこれらの指標が財団全域の年次計画イニシアチブに与える影響を観察して、当財団の年次計画のコア指標が業務とどのように結びつくか理解していると見なすことができます。その影響とはチームや取り組みごとに異なるかもしれないので、これら指標との関与を3段階で示す尺度を探します。

幹部の一部にとって指標は観察ツールでおり、年次計画のイニシアチブとトレンドの関係を理解しようと調査を始める場合もあるでしょう。 他の人にとっては進捗状況や作業を取り巻くベースラインを広く伝えるためのツールとなり、これらの指標を四半期ごとの評価や運動との年次計画への関与に組み込むなどする場合があります。

最も理想的な事例は、年次計画イニシアチブごとの幹部が直接、これらの指標を用いてリソース配分の決定を導き評価することであり、これら決定をめぐる内部または外部との意思疎通ですでに示されている通りです。

財団全域の調整作業は一連の共有の指標を使うのが理想なら、このように年次計画のさまざまなイニシアチブで年次計画コア指標を多段階に取り込むように奨励すると、財団全体が理想に近づけます。

SDS2:経験に基づいて決定を下す

ウィキメディアの職員と幹部層は、データに基づく決定を下す上で重要な指標を使ってプログラムの進捗を評価し波及効果を評価。

文脈:プログラムの進捗状況を評価し、影響を評価するために重要な指標を使うと、証拠に裏付けられた情報に基づいた意思決定を確実に行うことができます。 これにより常に最も重要な目標に集中し、必要に応じて調整し、時間の経過とともに進捗状況の追跡ができます。 このデータ主体の文化を実現するには重要な指標と関連プロセスをコード化してツールと出力に組み込み、主要な観衆が高品質のデータを探せて理解し評価できるようにするようことから始める必要があります。これは指標評価のツール開発だけでなく、データ・インフラと高品質のソリューションにも投資して、データ製品の精度や対象範囲、適時性の向上へと進むことを意味します。そこで焦点を当てる主要分野は次の2つとします。

  • 共有のツールとデータを提供し視野に入れることで、上席幹部がデータ主体の意思決定を行えるようにします。この作業にはコア指標3件をデータ製品として利用できるようにすること、関係の観衆がこれらの指標を分析し評価できるツールの提供、そしてデータ・インフラと既存のデータ製品へ必要な投資をすることが含まれます。
  • 当財団の製品と機能に関するデータ生成を合理化し、製品と対比させて試験を実行できるようにします。

私たちは試験を使って迅速に学べるようになり、コミュニティとの適切なタイプの経験を作るために役立てます。 当財団の製品ポートフォリオが発展するにつれて体系的かつ透明性のある検証戦略を考えて決める必要が生まれており、運動の目標に向かって、私たちの決定と投資は正しい方向に動いているかどうか示すためです。

協議する

5. 各チームは機能4件を使って利用者体験の評価と改善を目指し、利用者との相互作用データに依拠した共有ツールを用いる。 ツールを作成して機能チームが機能変更の影響測定に共用できるようにすれば効率が上がると見込まれますが、それは測定値の作成と取得に必要な労力の軽減と、それら測定値をコア指標に適合させることも容易になるからです。
6. 幹部職員は定期的に共有ツールを使い、財団の進捗状況をコア指標に照らして評価できるようにする。 目標1の一環として幹部職員の配置はコア指標を中心に調整しており、財団の進捗状況をコア指標と対照して評価し測定する使いやすいツールを提供する必要があります。この作業ではその達成のため、静的レポート、データ視覚化ツールその他を調べること、さらにデータのインフラと品質にどう投資するかが含まれます。今年はコア指標の提供に重点を置きます。

SDS3:データの利用と配布

利用者はウィキメディアのコンテンツに着実にアクセスし大量のクエリを実行できる

文脈:ウィキメディア運動における私たちのプロジェクト群からデータを取り出す仕組みは、オンウィキの体験が良好に発展する上で不可欠であり、ツール開発やプロジェクト分析その他の活動にとっても同様です。データを提供するデータ製品は、無償の知識を行き渡らせ、発見やキュレーションや作成のニーズを満たすものであり、そのデータ製品は信頼性が高く持続可能で拡張性があり集約も可能でなければなりません。 財団の今年度の中核となる重点分野は、知識グラフのより持続可能な解決策を提供できるかどうか探ることにあり、それは引き続き知識コンテンツを取得しながらその成長に対応するものであり持続可能で高性能でなければなりません。今年は主に以下に焦点を当てます。

  • WDQSクエリのパフォーマンスと信頼性を向上する方法の探索
  • WDQS関連に差し迫る障害の潜在リスクに対処する
  • 急速に成長する知識グラフのスケーリングについて長期的な解決策の基礎作り

協議する

1. ウィキデータの知識グラフは最大200億タプルのグラフを10日以内にリロードできるようにする。 私たちが対処に取り組む問題の根本には、ウィキデータのクエリサービスに関して拡張集約可能性(スケーラビリティ)と安定性を中期的に確保することがあり、これらはウィキデータをクエリする能力を妨げる可能性を含んでいます。ウィキデータのクエリサービスはBlazegraph(ブレーズグラフ)上で実行しており、トリプル150億件で構成されます。現在、このグラフは年間10億倍の割合で拡大中です。グラフの現在のサイズと拡大に起因して、スケーラビリティの問題が次のように多数、発生しています。
  • ウィキデータのダンプを使うグラフのリロード(再構築)には2ヵ月以上かかります。一因は操作自体が長いためですが、時間が延びるのはグラフが特定のサイズに達すると予測不可能なリロードのクラッシュが発生してプロセス再起動が必要になるせいです。
  • WDQSの不安定性が頻発する問題
  • クエリ実行が遅延し、タイムアウトが頻発しやくなる

グラフをリロードする機能は、データの一貫性を保ち、重要なデータ問題が潜在しても回復可能にする重要な機能です。これはシステムの安定性と拡張集約可能性を示すものです。さらにデータリロードのプロセス不安定性はグラフのサイズに直接リンクしており、それはWDQSのランタイム安定性がグラフのサイズにリンクするのと類似します。

バケット3:将来の観衆

趣旨バージョン2(バージョン1はこちら) 主な成果 説明 調査

FA1:考慮対象の複数の戦略について説明する

私たちの目標達成によりウィキメディアが無料の知識のエコシステムにおける根源的な基盤であり続けるには

協議する

1. 「将来の観衆の参加者」の作業は戦略案を少なくとも3件用意し、ウィキメディアのプロジェクト群(特にウィキペディアとウィキメディア・コモンズ)がどうすれば今後も「無料の知識のインフラ」であり続けるか、波及する観衆や、試してみる仮説とその試行方法にも目を配ります。 将来の観衆というバケットが将来の事業の可能性をさらに深く掘り下げる以前に、私たちの検討課題であるさまざまな戦略を並べてみて、答えが必要な質問類を徹底的に考え、それぞれの実行可能性を検出する所存です。

ウィキメディア・コモンズのコミュニティ参加者より、コモンズの将来に向けた戦略について考えるよう私たちに明確に要求があり -- この KR では確かに私たちが実行すると保証するものの、同時にまたこのバケットが考慮の対象とする、より大きな製品戦略にも適合させます。

ウィキメディアの外部の傾向 2023年のまとめには 検索やコンテンツ作成における技術ならびに利用者の行動に多くの変化が見られるとともに、リスクを私たちの運動の持続可能性にもたらすかもしれないと照らし出しました。

この一連の作業は、将来、さまざまな課題に直面したとき、私たちのプロジェクトとコミュニティはどのように繁栄を続けるか、可能性をより深く掘り下げるようと目指していきます。

お問い合わせ:User:MPinchuk (WMF)

FA2:仮説をテストする

将来の戦略として可能性を検証するにも無効にするにも、手始めにサードパーティのコンテンツ系プラットフォームに脚光を当てます

協議する

1. サードパーティのコンテンツ系プラットフォームでリーダー的存在の若い層の観衆をめぐる仮説を試験してみて、私たちのサイト群の内外で私たちが作成できるであろう製品を発想すると、それらの若い層がウィキメディアのプロジェクト群の消費者、さらにまた投稿者として関与できるはずです。 運動戦略の方向性のうち、ぜひ深掘りするべきものは無料の知識を他のプラットフォーム、つまりYouTube、Instagramその他でどう普及させるかです。左記の空間では膨大な量の知識が無料で消費され、私たちはその取り組みについてまだ白紙状態であり、あるいはこれらの空間から参加者を増やす理論も固まっていません。このKR文言の更新の日付は2023年10月11日、その趣旨がサードパーティのプラットフォームを通じてウィキメディアの「ブランド」ではなく「コンテンツ」を広める点、これが製品アイデアの開発に役立つためである点がさらに明確になりました。コンテンツが普及して行くのに合わせて帰属とブランディングも展開していけば、編集者や寄付者もウィキメディアも存続ができ、その点は前から変わらず重要であり -- ただしこの作業の第一義の 方向は、そんなことではありません。
  • 2022年ブランド健全性調査※1 はウィキペディアが年齢層別にどのように認識されているか調べています。中でも18-24歳人口は市場により目立ってウィキメペディアの認知度が低く(アメリカ合衆国、ドイツ、南アフリカ)、ネット・プロモーター・スコアはマイナスでした。同調査は右のように示しています。「これはプロジェクト単位ばかりでなくウィキメディア運動全体にとって将来の高いリスクをもたらします。」(※:1=Brand Health Survey。2=Net Promoter Score。)
  • ニューヨーク・タイムズ」紙が報じた証拠によると、SNSアプリに多くの時間を費やす若者がグローバルに増えていて伝統的な検索エンジンを使わなくなっています(後者は私たちのプロジェクト群にまとまった数のあたらしい観衆をもたらすものです)。

お問い合わせ:User:MPinchuk (WMF)

2. 対話型 AI の知識探索をめぐる仮説の試験により、人々がウィキメディアのプロジェクト群にあるコンテンツを発見・関与できる方法を探求します。 私たちはもう1つの戦略的方向性を必ず掘り下げたいと考えており、それは会話型 AI、無料の知識のエコシステムに変革をもたらすと予想される技術です。この KR は、大規模な言語モデルとチャットボットを使用するすべての作業に該当するわけではありません。むしろ会話型 AI の調査研究とは、それを経由しないとウィキメディアのコンテンツを経験しないであろう監修に、どうすれば無料の知識をもたらせるか、その方法の1つにすぎません。
  • ロイター通信発表の報道、公開から2ヵ月後の2023年2月時点ですが、ChatGPT の実際の利用者は1億人であり、その魅力の大きさと急速な成長を示しています。
  • LLM 群のうち GPT-4 その他は多数の新しいツールに採用され、オンラインの検索あるいはコンテンツ作成もその範囲です。私たちの運動の参加者も多数、私たちの作業に関心を寄せ心配しており、またプロジェクト類は AI ツールがますます高度になる世界で今後とも成功を重ねると見込まれます。

お問い合わせ:User:MPinchuk (WMF)