ウィキメディア財団理事会掲示板/February 2020年2月 - 運動戦略に関する理事会の見解

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ウィキメディア財団理事会は今般の会合(2020年2月12日)において、運動戦略勧告を査読し協議しました。当該プロセス全般に関与し注視してきた背景があり、それでも直近の協議は勧告を深く掘り下げることにより、戦略の方向性、知識の公平性ならびにサービスとしての知識という目標との整合性を確かめる機会となりました。これらの勧告により、運動の将来にもたらされるであろう変革の確かな可能性を思うにつけ、興奮を覚えずにはいられません。

これら勧告が目指そうとするものは実に驚くべきことです。大胆に公開し地球規模で誰も取りこぼさないプロセスで進める協働作業はなかなか目にする機会がなく、難しかったり複雑だったりする点はあるものの、これこそ最善の取り組み方です。成果物同様、その道のりが重要で — ウィキメディア運動の将来図を共に描くにつき、共通理解を築き信頼を育む機会となります。すでに運動戦略プロセスを通じて、透明性と地球規模の協働作業、集団としての思考、誰も取りこぼさない意思決定についていくつも学びがありました。今後、複数年にわたって続く協働作業にも、ぜひこれらの学びを活用していく所存です。

私たちは推奨事項の全体的な方向性とそこから提示される機会を歓迎するものであり、確立されたコミュニティ内でも新興のコミュニティでも永続的な課題の克服と運動内の格差の解消、また戦略的な成長と回復力および多様性の実現に向けた環境作りを進めます。推奨事項とは前進に役立つ多くの実用的な方法を考えるきっかけであり、それがもたらす変化の強固な基盤とは、さらなる議論の継続とローカルのコミュニティの適応を柔軟に促す段階にあります。理事会が歓んで迎えた多くの推奨案とは、技術インフラストラクチャの向上、地域の能力開発の支援システム、リソースと意思決定へのアクセスの包括性と公平さ、コミュニティの成長と健全性、将来のコミュニティ指導者を対象とする研修とスキルの向上を取り上げ、さらに加えて調整や文書化、調査や評価の品質向上に求められる緊急支援が対象です。また改善の指針を示しており、特定領域では明確化を求め、執筆者にコンテンツの追加を依頼して推奨事項を推敲し最終案作りができるようにました。最終的な推奨事項の確認および承認が実現する2020年3月下旬を楽しみにしています。

なかでも長年にわたり運動のあらゆる場所から懸案事項として提言され続けたのが安全と安心の向上であり、そのイニシアティブに賛同し承認するため力を尽くし、さらに断固たる手法によって嫌がらせ行為対策にあたります。理事会は「ユニバーサルな行動規範」と、その戦略方向性の達成において必要不可欠で根源的存在であるコミュニティとの協働作業を通じて開発することについて、全会一致で承認します。

もちろんこれらの作業を成し遂げるために尽力された皆さんにも、感謝を申し上げなければいけません。さまざまな利害関係者が戦略をめぐる協議に参加され、私たちの素晴らしい運動のいろいろな部分のつながりにより — 新興や準備中のコミュニティは言うに及ばず — 成長の芽がどこにあるか、隠れていた困難の顕在化、共通のバリアを克服する方法の割り出しが進んでいます。これほどユニークな試みに運動のあちこちから飛び込んで来られた皆さんに、またその道筋で手を貸してくださった皆さんに謝意を表します。ボランティアやコミュニティ参加者は戦略案の策定に貢献され、理事や職員として提携団体ならびに当財団に関わる人々、コミュニティのまとめ役、賛同者、パートナー組織や同じ志をいだく諸団体にお礼を申し上げます。すべて熱心な取り組みの賜物であり、誠意あるご尽力をたたえたいと存じます。

将来に待ち受ける変革を思うと胸が高鳴りますし、これまで戦略立案段階をつづりあわせてきた熱意、信頼醸成、協働作業の精神が勢いを保ったまま行き交い、今後の実施段階でも一本の糸として伸び続けるよう、コミュニティの皆さんのますますのご活躍をお願いいたします。

理事会を代表して, Raystorm (talk) 16:00, 28 February 2020 (UTC)[reply]