助成金:プログラム/ウィキメディア・コミュニティ基金/2023-24事業年度一般支援金 変更案

From Meta, a Wikimedia project coordination wiki
2023-24年分の一般支援基金の手順改訂案

これまでの経験とウィキメディア財団の助成金戦略に基づき、一般支援基金(ウィキメディア・コミュニティ基金枠)のプログラムについて変更を考えています。2023年4月30日から5月16日の期間を設けて皆さんのご意見ご指摘をお聞きしたく、このページを査読の上、ぜひ議論のページにお寄せください。(※訳注=開始は28日から修正)

概要

全体目標:相互学習やパートナー関係、プロセス簡略化に取り組むこと

学習とパートナー関係

  • 運動に関するカテゴリに共通の分類を設けたことにより、収集したデータに基づく学びの努力が促されました。相互学習のセッションを重ね、さらに補完する見込みです。
  • 一般支援金の申請者全てに対して複数年助成金の要件を緩和すること、すなわち、明白に長期の支出費目である場合(例=給与やオフィス賃料)、この点について複数年の戦略計画を不要とすること。
  • 助成金支給を超えた支援は、内部的にはウィキメディア財団の関連チーム間で調整して強化、対外的には外部組織を調査し助成事業パートナーの優先分野に関する専門知識を得ること。

手順の簡略化

  • 一般支援基金の現役の助成対象事業パートナーのため、助成金更新プロセスを合理化します。
  • 中間報告書を提出するという要件を取り除く。
  • 一般支援基金の申請、報告書式、補助金契約プロセスを改訂し、手順を確実に簡略化します。

コミュニティの声を傾聴:なぜ変更を実施するのか

2022年11月、コミュニティ資源チームはDiffに寄稿し助成金戦略のスタートから1年を迎えて学んだことを説明しました。来年気を付けるべきことが強調されていました。

これから

運動のガバナンスや資源の配分に関する議論は重要で、今現在継続中です。私たちはその間に、公平な資金の提供などの一部の目標に近づくことができました。反省することと、改革への必要性はまだまだあります。未来に活用できる反省を以下に示します。

  • パートナーシップへ関係を変えるには、意図、信頼と時間が必要です。信頼をベースとした慈善モデルは、私たちの新しい活動です。どうしたら、お互いの信頼を築き、ゴールへの道のりを改善しながら、繋がり学べるでしょう?
  • 資金調達のプロセスは依然として手間がかかります。作業の理解に欠かせない情報とは何か? 来年にかけてコミュニティと協力して手順を組み直し、軽量化します。
  • 複数年にわたる資金提供は、被付与者と彼らの人員に安定感を与えました。もっと成長したい団体は、資金提供以上のサポートを受けれるでしょうか?

助成事業パートナーの皆さん、地域基金委員会とウィキメディア財団職員と話した結果をまとめ、このページでは一般支援基金プログラムに以下のとお理、高次元の改訂を加え、2023年7月から実施するよう提案します。(※=訳注:7月はウィキメディア財団の新会計年度の始まり)

共に創造:手順と日程

2023-2024年の一般支援金の変更に向けた計画

2022年11月、私たちはウィキメディア財団基金全体への評価・適応しを続けることを発表しました。まずは、2022年に配布された基金の77%を占める一般支援基金に注目しました。

私たちは地域基金委員会からフィードバックを求め、ビデオ会議を5回開きました。一般支援基金の助成事業パートナーとは公開会議を3回催し、参加者は6ヵ国語の合計64名でした。同パートナーの皆さんにはフィードバック用フォーム提出の〆切を設けずに、いつでもご意見ご指摘を受けられるようにしました。財団側の手順の内部評価を行うにあたり、プログラム責任者と補助金管理者ほかサポートに関与するチームとして、法務と会計、コミュニティ・プログラムとコミュニティ開発、パートナー関係、製品部門/技術部門と運動のコミュニケーション担当(広報連絡)に声をかけました。

高次元の改訂案には2023年4月30日より同5月16日まで、コメント受付期間を設けています。フィードバックに基づいて改訂案を繰り返し修正し、このプロセスを締めくくります。6月の1ヵ月間は、Fluxx のバックエンド処理のサポートと、申請書式およびガイドの更新に費します。改訂案、申請方法とガイドの最終稿は、7月初旬に発表の予定です。その後、一連のオリエンテーションの集まりを開いて改訂の実施を支え、また準備期間を数ヵ月設けてから、資金調達第1ラウンドが始まります。

一般支援基金の手順改訂案

相互学習ならびにパートナー関係に注力

ウィキメディア運動の事業を分類し学習と理解に役立てる

多くの助成事業パートナーは学習報告書を基準にして世界中で同様の取り組みを行っています。一般支援基金申請書に示されたコミュニティの説明を採用し、同パートナーのプログラム活動を運動全体にわたって分類すると手順は容易になり(カテゴリ化)、利害関係のある人々すなわち地域基金委員会から運動の関連団体ひいてはウィキメディア財団職員まで、共通の理解がさらに進みます。そのカテゴリは関連のプログラム作業に専念する財団チームとの間で一貫させると、相互学習とサポートも単に助成金授受の関係を超えて促されます。

ウィキメディア運動の作業を明確に分類すると、同じ言語で包括的な目標を語ることができ、プログラム関連の作業をどう目に見える形にするか有用な指標の開発が可能になります。助成金対象事業のパートナーと地域基金委員会ならびに財団は共に、私たちの共同作業を理解して評価し、そこから学ぶには支援が必要だと伝えてきました。学びながら適応する真の文化を作り出すには基本線を設定して、さらに相互学習のセッションを繰り返し、長期的なモニタリングを重ねていきます。財団の製品チームと技術チームは、すべての運動関係者向けの「信号とデータ」サービスを優先しており、データ共有と、それをさらに有意義な洞察に変換するには、作業に共通のカテゴリを設けることが肝要です。

これらによって、手順が申請者の大部分にとって容易になるよう願っています。また申請者全員にカテゴリを用いないという選択肢をご用意して、文字数無制限の記入欄にプログラムの作業や指標の補足説明が書けるようにします。優先事項はプログラムに求められる最も一般的な業務を分類することであり、学習報告書にまとめてあるように教育、文化と歴史遺産、ジェンダー格差、人権の擁護、パートナー関係、コミュニティの補佐、組織開発などが対象です。

分類の例(下案):教育

2022-23会計年度(FY 2022-23)の助成金受給者の70%から、教育関連のプログラムを実施したと回答を得ました。

総体的な目標(助成事業パートナーに応じて1件または全3件):

  • デジタル・リテラシーの促進に役立つ教育ツールの開発
  • オープンな知識のコンテンツの投稿を増やすこと
  • ウィキペディアに対する態度を変える(ブランド意識を改める/認知度の向上)

これまでに見た共通のプログラム案は次のとおりです。 we see:

  • 学生対象の編集プログラムと活動:
    • ウィキクラブ、ウィキキャンプ
    • エディタソン
    • 授業で編集を宿題にする
  • 学生対象の研修/ワークショップ
    • 教員対象の研修/ワークショップ
    • In-service
    • ワークショップ
    • エディタソン
  • 人権の擁護をもっと認識する
    • 教材開発とOER
    • 教育に与えるウィキペディアの影響を調査
    • 技術面のサポートを提供
    • 教育制度の指導者層対象の研修/ワークショップ
  • 技術的なツール/説明文書
    • 教育関係者向けに新しいリソースを作成、ウィキメディアのプロジェクト群への貢献を促す
    • 視聴覚機器
    • プロジェクトの説明文書
    • 技術的ツール/ダッシュボード類

データを援用した学習支援

目標とは、助成事業パートナーに必要な支援を学習報告書から読み取って実現することであり、具体的には、それぞれが定めた目標を理解し作業に情報を提供できるよう、指標と手法ならびに取得したデータを用いる方法の開発を補佐します。助成金申請書にある指標欄では指標を特定するよう求めていますが、これを作り直して記入者は簡単かつ明確に書けるように、集計者は簡単にまとめができるようにします。この情報があると、地域が異なっても例えばエディタソン参加者の計測にどのような指標を使うか、仮の基本線が理解できます。信号とデータのサービス(Signals and Data Services)を製品/技術分野の優先事項として定めたとおり、私たちは助成事業パートナーが関連のある情報にアクセスできるよう、継続的に承認することを約束します。

助成金支給を超えたサポートを

ウィキメディア財団の年次計画で焦点を当てたとおり、ウィキメディア運動の技能開発と指導者育成に投資を続けていきます。

一般支援基金を受領する助成事業パートナーと一口に言っても、成熟度も規模も大きく異なることを認めています。私たちは学習報告書の中で、助成事業パートナーの三大カテゴリを提唱しました。単なる助成金の授受を超え、サポートは同パートナーそれぞれの状況に合わせてカスタマイズして提供すること、組織ごとの固有の目標に合わせてどの重要なマイルストーンを優先するか設定し、異なるプロセスを促進したいと考えています。

以下のマイルストーンは、担当者が把握する重点分野における例です。

カテゴリ:組織統治 – 助成金支給先は、オープンで透明な組織統治を実践し、これは私たちの運動で受容できるものです。

マイルストーンの見通し:

  • メタに掲載した提携団体/組織の年次報告書は運動各所に共有され閲覧ができます。
  • メタに作った提携団体のページを更新し、理事会やコアチームを含む財団各所のチームや参加者と共有。組織統治/総会の透明性が高く、議事録も閲覧可能。
中間期ならびに年度末には相互学習の対話を実施、それを受けて学びの小会議を体系化する
助成事業パートナーは例年の中間期にプログラム責任者と相互学習の会話を開いたのち、それを受けて地域で開く経験共有の学習小会議(セッション)を定期化する。
サポートには、関連のある財団チームや外部パートナーと連携し調整
助成金支給にとどまらず、財団内部の関連する諸チーム(コミュニティ・プログラム、パートナー関係、コミュニティ開発、運動コミュニケーション(広報連絡)、製品部門/技術部門)は総合的なアプローチを開発し、協定基金助成金支給先をさらに補助します。いくつかの優先分野で外部組織を対象に、提携団体の補佐に関する専門知識と状況に応じた知識を調べます。

複数年助成金の支給枠を拡大

一般支援基金の申請は全て、3年期限の複数年支給に応募できるようになります。

戦略計画を組んだ申請者は、複数年にわたる現在の資金調達手順に従います。運営およびプログラム上の作業に対する資金の全額支給は、手順の進行に合わせて進めます。単年単位の経費の支払いは、年間計画書ならびに年間予算表の受領を待って実施します。毎年末には報告書の提出とともに、プログラム責任者との相互学習の会話に必ずご出席ください。

戦略計画が未定の申請者には、3年分の複数年助成金の申請書を提出していただきます。複数年にわたる資金調達は、初年度のプログラム作業のほか、人件費、家賃、光熱費など長期の固定費を承認します。業務は戦略計画が未定のためさらに変更する可能性があるため、申請承認から2年間は簡略化した更新手順に従ってプログラムや人員配置の変更に備えます。当該の更新手順の査定担当は地域プログラム責任者とし、必要に応じて地域基金委員会が加わります。この決定に基づいて助成金事業の契約を更改します。

変化の実施に関するオリエンテーションと支援

地域基金委員会と助成金受領パートナーの皆さんが学習とパートナー関係の考え方に集中できるように、変化と新形式に関する小会議と研修を介して支援します。

手順の簡略化

主な申請

  • 上述の分類作業に基づいて申請作業を合理化、ドロップダウンメニュー、複数の選択肢を設けた質問を増やします。
  • 従来の単語数の上限は解除します。
  • Once the new application is completed – the information will be used to pre-populate renewal applications.

新規の申請が完了 – 更新申請に備え、情報は事前の入力に援用します。

  • 全ての質問とガイドを再検討し、翻訳に適した簡潔明確な言葉遣いであることを確かめます。

更新申請

更新申請では次の5つの主な質問分野に焦点を当て、いずれも助成事業パートナーと地域基金委員会の双方から受けたフィードバックの着目点に応じたものです。

  1. 申請当初にすでに入力された回答の再検討
  2. 達成したこと、学んだことを訪ねる質問
  3. 関連する変更点に寄せられた質問
    1. プログラム関連
    2. 人件費関連
    3. 業務環境の関連
  4. 指標の更新
  5. 予算の更新

報告の要件

  • 6ヵ月間隔の中間期と完了時の報告書提出はなくなります。
  • 昨年は1年にわたり、プログラム管理者との会話を相互学習の重要な時間として注目してきました。助成期間の日程表にある中期および完了時に、これら相互学習に関する対話を継続します。 地域基金委員会の委員には、講評の機会を選択肢として設けます。
  • 助成金受給パートナーには今後とも、メタに年度末の報告書を提出していただきます。
  • 学習セッションへの参加を強く推奨
  • 申請書の変更を反映し、完了時学習レポートを改訂する予定です。

助成金同意事項を簡易化

法務部門ならびに助成金管理部門と協議の末、グループならびに非営利団体を対象とする単年度助成金の簡易版同意事項をまとめました。新規プロセスへの移行過程の一環として、プログラム管理者の全員が助成事業パートナーと一緒に助成金申請書を必ず確認するように徹底します。

地域分けとウィキメディア財団の構造を揃える

コミュニティ資源チームは現状の7地域体制から、年次計画の示す当財団の改変に沿って体制が変わります(Community Resources)。最も顕著な変更点は次のとおりです。

  1. 中東およびアフリカ地域は「中東と北アフリカ地域」と「サハラ以南地域」に改組します。引き続き従来の地域基金委員会が両地域のサポートに当たります。
  2. アメリカ合衆国・カナダ地域を「北アメリカ助成地域」と改名、サポート担当のプログラム責任者と地域基金委員会は留任します。メキシコは今後ともラテンアメリカおよびカリブ海地域の一翼としてサポートを受けます。

メタのページを更新

メタページとガイドは現在、見直しと更新を進めています。新規参入者と既存の助成金パートナーの両方にとって、情報にアクセスしやすくすることを目指しています。ここまでのプロセスでインタビュー(聞き取り調査)とフィードバックにご協力くださった皆さんに深謝申し上げます。新しいページの立ち上げは、2023年7月を予定しています。引き続き言語と翻訳のサポートをご提供していきます。

謝辞

私たちと一緒にこの旅路をたどってくださった皆さんに謝意を表します。 2020年、運動戦略勧告に述べられた「意思決定における公平性を確保」するため、リソース配分をもっと参加型にしたり、資金調達システムの柔軟さ、地域コミュニティのエンパワーメントが求められました。これらの願望を目指す私たちは協働のプロセスを導いて助成金制度の改善に暫定的な新しい戦略を作成し、のちにこれらを組織統治の問題と運動戦略の執行へ反映していくと見込んでいます。評価し、繰り返し、適応することを約束しました。こうして皆さんの賛助を得て実行できました。

地域基金委員会に参列されたボランティアの皆さん、私たちと一緒に旅を続けてきた助成事業パートナーの皆さん – 忍耐強く貴重なフィードバックを寄せていただいた点にそれぞれ感謝申し上げ、また先頭に立って担当地域のコミュニティの関与を牽引した世界各地のプログラム管理者も、ウィキメディア運動の活動を支援するウィキメディア財団各所轄のチーム群も、ご苦労さまでした。