戦略/ウィキメディア運動/2018-20/移行/よくある質問

From Meta, a Wikimedia project coordination wiki
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Timeline of the Strategy events.

一般的質問

移行のプロセスとは?

「移行」では、2021年に何に取り組むかを決めます。ここでは、「運動戦略」の勧告のうち、どのイニシアチブが私たちのニーズに最もよく対応でき、ウィキメディア運動の中でインパクトをもち得るかについて話し合います。それは、同僚や友人から様々な料理が載ったメニューを渡され、異なる場所にいる異なる人々のために異なる料理を出せるよう、夕食の献立を何にしようか話し合わねばならないという状況に似ています。(※:recommendation) 移行は、勧告の発表(2020年5月)から実施開始時(2021年5月)に至るまでの、包括的で多くの人が関与するプロセスです。移行プロセスはコミュニティ主導型の移行策定グループが7月と8月に考案したもので、作業進行中に他から意見を聞いたりレビューを行います。移行は9月と10月にローカルや地域、テーマ別の協議からスタートする予定で、そこでは勧告にあがったアイデアのどれを実施すべきかを決定します。その後、複数のグローバルイベント(11月)に皆さんと集まり、調整とリソース配分を話し合います。移行とは、2021年1月から向こう18ヵ月間に、運動全体にわたり実施するため計画を策定することを目指します。

原則については?

運動戦略の原則は、運動の構成要素として考案されたものです。これは、勧告へ向けた移行および以後の実施を含む、私たちの取り組みの指針となる基本的考え方を示すものです。「移行」は、実施段階を立ち上げるための条件を整えることが目的となります。そのため、コンテキスト化と権限移譲の原則に基づき、現地において準備、リソースと対応能力の特定、および勧告の優先付けが行われます。今後の全ての作業、特に実施はコラボレーションによるもので、異なるコミュニティ、組織、パートナーの協力を通して行われます。さらに、「移行」と実施は包括的かつ多くの人が関与するもので、常に人々にフォーカスします。透明性、説明責任、効率性の原則に基づき、「移行」の結果は、権限移譲、自主管理、強靭なウィキメディア運動の約束を実現する計画の実施でなければなりません。

イニシアチブとは?

イニシアチブとは、「運動戦略」の各々の勧告が推進する「変化とアクション」です。勧告は2018年から2020年までの間に、コミュニティで何回も協議を重ねた後、異なる執筆者により何度もドラフトが作成されました。そのため、提案されたアイデアは、直接的なアクションまたはアウトプットもあれば、成果や結果である場合もあります。その中には、コンテンツの欠落への対応など、すでに行われた作業もあれば、「運動憲章」のように、私たちにとって新しいコンセプトで独自の話し合いが必要となるものもあります。「イニシアチブ」という言葉は、勧告の中にある変化へ向けた異なるアイデアを包括する用語として、何人かの 執筆者により提案されたものです。10の勧告の中に約50のイニシアチブがあるので、優先付けをして徐々に実行してゆかねばなりません。

すでに進行中のイニシアチブがある理由は?

「運動戦略」は、イノベーション、成長および多様性へ向けた私たちの強い願望の実現を促す変化とアクションを提案します。同時に、長い間未解決のままにされてきた問題にも対応します。勧告の中に、資金調達の仕組みを考え直してより平等なものにする、全世界を代表するような機構を構築する、知識をオープンなものにするためエンタープライズレベルのAPIを開発する、ハラスメントの問題に対応するなどのコンセプトが強調されているのは驚くに値しないでしょう。すでに始まっている会話にご参加ください。 全員共通の行動規範(Universal Code of Conduct)および OKAPIに例があるのでご覧ください。2021年に、皆で力を合わせどのイニシアチブに取り組むべきかを明らかにするため、11月のグローバル・ディスカッションにご参加ください。

策定グループとはどのような集団か?

導入へ向けた運動全体からの多数の参加者とオンラインで関わることは、有益であると同時にやりがいがあります。このため、ウィキメディア財団は2020年6月に策定グループを召集し、皆で協力して、提案事項の発表からその導入へと移行するためのオンラインイベントの計画を立てました。策定グループの狙いは、それぞれ異なる地方や地域(CEE、ESEAP、Indaba、Iberocoop、北米、南アジア、ウィキアラビア、ウィキフランカ)を反映するコミュニティのメンバー、ED(事務長)および委員長グループの代表、そしてウィキメディア財団からのスタッフを集結させることでした。策定グループは6回のオンラインによるワーキングセッションを行い、8月の「移行」に関する概要の草案を共有しました。

導入

勧告の導入をなぜすぐに始めないのか?

勧告の発表からその導入へ移行するためには計画が必要です。特に、2021年に最初に導入すべき優先事項は何か、そしてその後に何を導入するかを決めなければなりません。この計画を作成するため、運動全体にわたるバーチャルイベントを9月に開始し、グループやコミュニティを招いて、各地方、各地域、および各テーマごとに集まり、優先事項について話し合います。導入への移行は、導入計画を共に作成するための包括的で参加型の方法で、興味のある人を誰ひとり置き去りにはしません。「移行」プロセスは、作業進行中にMetaについてコミュニティから意見を聞いたりレビューをしたりしながら、7月と8月に 移行策定グループ(Transition Design Group)が考案したものです。

それは喩えるなら、ディナーパーティを開催する、または12〜18ヶ月間の共同食事プログラムを整えるようなものです。移行とは、どのようなサービスを提供するかを決定し、アレルギー対策をしっかりと行い、異なる嗜好に合わせてさまざまな料理が提供されるようにすることです。

導入とは、実際は何を意味するのか?

導入は、さまざまなコミュニティ、アフィリエイト、およびウィキメディア財団を呼び集め、協力して運動戦略を実行に移します。「移行」プロセス中に私たちは、勧告の中で推奨される50の変更や行動、またはイニシアチブのどれを導入すべきかを共に決定します。イニシアチブの中には、コミュニティの育成、コンテンツの欠落への対応、開かれた情報における支援運動など、私たちがすでに行っていることを強化するものもあります。また、運動の定款やグローバルカウンシルなど、さらなる話し合いが必要となるイニシアチブもあります。さらに、評価やよりよい調整、知識管理など、この運動の内的側面に対処するイニシアチブもあります。その他は、ユーザーエクスペリエンスやパートナーシップといった外的なものです。優先順位の付けられたイニシアチブの導入は、運動全体にわたる18ヶ月間のパイロットプロジェクトで、2021年1月に始まります。地域的な新企画となるイニシアチブもあれば、グローバルなコラボレーションが必要なイニシアチブもあることが予想されます。

導入計画はどのようなものになるか?

「移行」プロセスの目的は、2021年1月から始まる18ヶ月間の導入計画を作成し、選択したいくつかのイニシアチブを協力して推進することです。導入計画では以下のことを行います:

  • イニシアチブを定義する
  • 取り組むべき目標および成果指標を定義する
  • それぞれの活動に明確なタイミングを与え、各段階を明瞭にする
  • 必要なシステムやワークフローを明確にする
  • 必要な人材および財源を取りまとめる

導入の影響を受けるのは誰か?

運動戦略の提勧告の導入は、ウィキメディアのすべての利害関係者を対象としています。つまり、皆で協力して、この戦略を地域的、世界的に活性化しているコミュニティの代表とスタッフ、およびアフィリエイトとウィキメディア財団の理事会メンバーです。彼ら全員が9つのテーマ別ワーキンググループ内で、ライターとして、またレビュアーとして、勧告の草案作成プロセスに関わりました。さらに多くの人々が、フィードバックを提供し、さまざまな戦略関係のイベントを主催することに密接に関与しました。このコラボレーションの精神は、今後も持続し、拡大していくでしょう。オンラインコミュニティでは、グループは優先順位を決め、導入中の作業分野を先導したり、サポートしたりすることに関心を示すことができます。個人としては、話し合いの場を整え、関連する新企画に参加する上で重要な役割を果たすことができます。アフィリエイトでは、優先順位付けと移行が、年間計画プロセスと密接にリンクしています。導入に向けて、彼らは重点分野を率いるパートナーとなり、仲間として、またメンターとして、互いにサポートしあうことができます。

どのように意思決定が行われますか?

個人やコミュニティがローカルおよびテーマレベルで議論した後に実施する、より大きなグローバルレベルでの議論で調整が発生するという構想です。提案事項の導入におけるガバナンスと意思決定については、意思決定における公平性のはじめに暫定グローバルカウンシル(Interim Global Council)の設立と共に記載しています。「移行」プロセスの目的のひとつは、2021年の導入開始より1年から1年半の間、暫定グローバルカウンシルが監督できるようにすることです。暫定グローバルカウンシルの責務の定義や、どのように機能するかというコンセプト全般、そして運動の代表者が今後の重要な議題となります。

私たちのように多様に富み、複雑な運動において、包括的かつ公平な方法で決定までたどり着くということは容易ではありません。意思決定については、運動の中で長期にわたって議論され続けており、年を追うごとに様々な方法で示されてきました。総意をもって決定するということは私たちの活動の多くの面で根付いていますが、制限がないわけではありません。特に、Metaなどの公開フォーラムで意思決定に参加することに不安がある個人やコミュニティもあります。また、論じるには知識が不足していると感じたり、まずは英語で行われる大半の議論に気が引けたりすることもあるかもしれません。このような状況において、最も声が大きく、英語を話し、かつ知識を十分に得る時間がある人にすべての決定を任せてしまうことは簡単です。コメントを求めるということは、非常に具体的な技術的要素についての議論や、プロジェクトまたはコミュニティレベルで変更を適用する際など、特定の場合には有用です。それ以外の場合には、このようなプロセスは、多くの人々を大きな意思決定から除外してしまいます。

簡単な解決策はありません。しかし、コミュニティ、アフィリエイト、そしてウィキメディア財団は、活動全体についての意思決定に適したアプローチを探したいと強く望んでいます。ひとつの方法では私たちの活動すべてに対応できるわけではないということは確かです。コミュニティ全体かつ運動レベルで意思決定のアプローチ方法を議論し、また、その試行や学習を進んで行う必要があります。

イベントのタイプ

優先事項はアフィリエイトのみ?

優先順位付けとすべての移行プロセスは、ウィキメディア活動に携わるすべての人のためのものです。運動戦略の提案事項のレビューや、仲間や同僚との議論、2021年の導入時にどのようなイニシアチブであればコミュニティのニーズに対応でき、また影響を与えるのかについての決定に全員が参加することを奨励しています。優先順位付けは以下の内容に基づくことになるでしょう。

  • グループまたはコミュニティの既存の活動
  • グループまたはコミュニティが成長してどのようになりたいか
  • グループまたはコミュニティが運動に参加できるかどうかにかかわらず、運動において必要とされる重要な変更

準備イベントとは?

私たちの運動のように複雑な活動で、戦略的な変更の導入についてグローバルな議論に参加するには準備と自覚が必要です。変更とアクション、つまり「イニシアチブ」は、約50項目近くになります。準備とは、戦略の深い知識は不要かつローカルに関するものであり、個人や組織がプロセスの情報を取得して提案事項を議論し、優先順位を特定しはじめるまでになります。準備イベントは、関心のあるアフィリエイトとコミュニティが、サポートチームからのサポートを得て開催します。

準備の後は?

準備とテーマ別の議論の次には、グローバルイベントが行われ、一部のコミュニティ(暫定グローバルカウンシルなど)が優先すべきと定めた議題とその場で発生した議題が議論されます。詳細は決まり次第お伝えします。小規模なイベント(ローカルおよびテーマ別の議論など)の目的は、優先順位付けを行うことです。新たな情報の分析と統合の後に、調整に向け運動を取りまとめるグローバルでの議論を行い、そして意思決定がなされます。グローバルイベントの次には、小規模なフォローアップイベントでもう一度コミュニティに議論を戻し、先に向けての役割や責務を話し合います。

ローカルイベントとは?

ローカルイベントではコミュニティやアフィリエイトを招き、提案事項のうち、どのイニシアチブが大きな影響を与える可能性があるかについて仲間や同僚と議論します。ローカルと付けばどれもグループを意味します。ローカルイベントとは、関連性と関心があり、特定のコミュニティのニーズに対処できる議題についての提案内容を取り上げる場を意味します。ローカルで議論し、その議論の結果をグローバルに持ち寄ることで、2021年の年初に始まる導入計画を共同で作り上げることができるのです。

これらのイベントのために利用できるリソースとは?

私たちの運動で行われるグローバルなディスカッションにおける参加率は、多くの場合、確立されたアフィリエイトやオンラインコミュニティの方が新興のアフィリエイトやコミュニティより高くなっています。新興コミュニティの中でさえ、参加するのは、ほとんどが確立され財政的に安定したウィキメディアン(Wikimedians)です。そこで「戦略」関連のディスカッションを企画するために、コミュニティを対象とする簡単かつ迅速な助成金システムを設けました。人々が自宅にいて大学の全ての授業をオンラインで受講したり子供の世話をしたりせねばならない昨今は特に、全世界において、多くのウィキメディアンがバーチャルなイベントに参加できる時間が以前にも増して限られたものとなっています。

現在、移行、データサポート、進行機能、付随資料を必要とする素晴らしいバーチャルイベントを実施するために、財団のAPGおよびSAPGの受領者を対象とする基金の再配分が可能になっています。しかし多くのグループ、特に新興のウィキメディア・コミュニティには年間の助成金がなく、そこでは迅速に支給される助成金しか利用できません。

「運動戦略」を対象とする迅速に支給される助成金の申込み方法に関する詳細については Rapid Grants(迅速に支給される助成金)ページをご覧ください。

地域およびテーマ別ディスカッションの役割とは?

地域およびテーマ別ディスカッションは、異なるグループやコミュニティが一緒になって「運動戦略」の提案事項実施に関するアイデアについて意見交換する理想的なプラットフォームとなります。それは、将来の計画に関する調整を行い、アイデアを共有し、優先事項について話し合う絶好の機会です。しかし実際の優先順位付けは、依然として個別のコミュニティやアフィリエイトのレベルで決定されるべきものです。一定の場合、フランス語を話す世界中のコミュニティはフランス語で行うなど、共通言語で行うのは理に適ったことです。東アジア、東南アジア、太平洋地域など、情報を共有し会話を始めるうえで、地域としてより包括的なアイデンティティがある場合もあります。

現地の「戦略」ディスカッションは対面型も可能?

世界中に感染症が大流行している現在、「移行」イベントはオンラインで行うよう企画されました。しかし一定のコミュニティ、特に良好なインターネット接続へのアクセスが難しい場所や、一定人数内での対面型ミーティングが許可されている場所では、対面型で実施したいという意向が高まっています。財団では、アフィリエイトやコミュニティが是非対面型ミーティングにしたいという場合、特に10人以上のミーティングの評価を必要とするケースを対象としたガイドラインを用意しました((新型コロナウイルス感染症流行期間中におけるイベントのリスク評価(events risk assessment during COVID-19)をご覧ください)。

コミュニティで対面型ミーティングをしたいという強い希望がある場合、企画者は新型コロナウイルス感染症流行を対象とする現地および国の公衆衛生ガイドラインに準拠しなければなりません。  

グローバル・イベントで行われることは?

グローバル・ディスカッションは、人々が一堂に会し実施の開始を祝うと共に、現地、地域、テーマ別ディスカッションの結果を報告するためのものです。優先順位付けが最終化されていなくても、長い空白期間の後で会い、アフィリエイト、コミュニティ、ウィキメディア財団の間の繋がりをつくり、コラボレーションの種まきをするのは良いことでしょう。実施は、運動の様々な部分に関与するグループが連携するコラボレーションに基づいて計画されているので、グローバルなディスカッションが重要になります。11月にお目にかかりましょう